「相続対策として不動産を子どもに早めに渡したい」「贈与税がかかると聞いたが、どう対処すればいいのか」——不動産の生前贈与に関する疑問や不安を持つ方は多くいます。仙台市でも高齢化に伴い、不動産の相続・贈与に関するご相談が増えています。本記事では、不動産の生前贈与と相続の違い、税務上のメリット・デメリット、活用できる制度について解説します。
相続と生前贈与の根本的な違い
相続は、所有者が死亡した後に財産が相続人へ移転する仕組みです。相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)があり、基礎控除額以下であれば相続税は発生しません。
生前贈与は、所有者が生存中に財産を贈与する行為です。受贈者(財産を受け取る側)に贈与税が課税されます。贈与税の基礎控除は年間110万円で、これを超える部分に対して10〜55%の税率が適用されます(暦年課税の場合)。
不動産の生前贈与の場合、贈与税の計算は「路線価または固定資産税評価額をベースにした相続税評価額」で行われます。一般的に、市場価格(実勢価格)の60〜80%程度が相続税評価額の目安です。
生前贈与のメリット
相続財産の圧縮効果が期待できます。生前贈与することで、相続時の財産総額が減少し、相続税の課税ベースが下がります。特に相続税がかかるほどの財産規模(基礎控除を超える場合)の方にとって有効な対策です。
家賃収入の移転ができます。賃貸アパートや収益物件を生前贈与することで、毎月の家賃収入が贈与先(子ども等)に帰属するようになります。オーナーが高齢で収入管理が難しくなった場合にも、資産管理を円滑に引き継ぐことができます。
不動産価格の上昇リスクをヘッジできます。将来的に不動産価格が上昇した場合、今のうちに低い評価額で贈与しておくことで、将来の相続税評価額の増加を防ぐ効果があります。
相続争いの予防にも効果的です。遺産分割協議が難しい複数の相続人がいる場合、被相続人が生前に特定の相続人に不動産を贈与しておくことで、相続時の遺産分割を事前に確定できます。ただし、遺留分(法定相続人が最低限受け取れる権利)には注意が必要です。
生前贈与のデメリット・注意点
贈与税の負担が発生する可能性があります。年間110万円(基礎控除)を超える贈与には贈与税がかかります。例えば、評価額2,000万円の不動産を一括贈与した場合、暦年課税では695万円もの贈与税が発生します(特例税率適用・子ども等への贈与の場合)。
不動産取得税と登録免許税も発生します。相続の場合は不動産取得税が非課税ですが、贈与では課税対象です。固定資産税評価額×3%(軽減税率適用の場合)の不動産取得税が受贈者にかかります。また、所有権移転登記の登録免許税は相続より贈与の方が高い(評価額の2%、相続は0.4%)ため、この点でも相続より不利です。
贈与の7年以内に相続が発生すると加算される問題があります(2024年改正)。2024年1月以降の贈与については、相続開始前7年以内(2023年以前は3年以内)の贈与財産が相続税の課税財産に加算されます。この点を考慮すると、相続発生が近いと見込まれる場合は生前贈与の効果が限定的になることがあります。
相続時精算課税制度の活用
相続時精算課税制度は、60歳以上の父母・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与に使える特例制度です。この制度を選択すると、累計2,500万円まで贈与税がかからず(超過部分は一律20%)、代わりに相続発生時に贈与財産を相続財産に加算して精算します。
2024年改正で年110万円の基礎控除が追加されました。2024年1月以降は、相続時精算課税制度を選択していても年間110万円の基礎控除が適用されるようになり、少額の贈与は相続財産への加算から除外されます。
仙台市内の不動産(例:評価額3,000万円の賃貸マンション)を子どもに贈与する場合、相続時精算課税制度を活用することで、将来の家賃収入(年間200〜300万円)を子どもの所得として蓄積しつつ、贈与税の即時負担を回避できます。
居住用不動産の配偶者への贈与(おしどり贈与)
婚姻期間20年以上の夫婦間で、居住用不動産(または居住用不動産取得のための金銭)を贈与する場合、最大2,000万円を基礎控除(110万円)に上乗せして非課税にできる制度があります(配偶者控除)。仙台市で自宅マンションや一戸建ての持分を配偶者に贈与する際に活用できる制度です。
仙台市での実務的な手続き
不動産の生前贈与には以下の手続きが必要です。
登記手続きは司法書士に依頼するのが一般的で、費用は評価額に応じた登録免許税と司法書士報酬(5〜15万円程度)がかかります。
まとめ
不動産の生前贈与は、相続税対策・資産管理の円滑な引き継ぎ・家賃収入の移転など多くのメリットがある一方、贈与税・不動産取得税などの負担も生じます。最適な方法は個々の財産規模・家族構成・相続税の見込み額によって異なりますので、税理士・司法書士などの専門家との連携が不可欠です。エムアセッツでは、仙台市内の不動産に関する相続・贈与のご相談を初期段階から承り、必要に応じて専門家をご紹介しています。お気軽にご相談ください。
저자
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
택지건물취인사 (미야기현 제018212호)
센다이시 아오바구를 거점으로 Sha Maison을 중심으로 한 고품질 임대 물건을 소유·운영. 전 건물 반려동물 가능 방침으로, 입주자와 반려동물이 편안하게 생활할 수 있는 주거 환경 조성에 힘쓰고 있습니다.
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