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相続6分で読めます執筆: 森 信幸代表取締役

相続税の基礎控除と仙台の不動産評価額:路線価で計算する相続税シミュレーション

相続税の基礎控除と仙台の不動産評価額:路線価で計算する相続税シミュレーション

「相続税っていくらかかるの?」「仙台の自宅は相続税評価額がいくらになるの?」——相続を控えた方や、親が不動産を所有している方にとって、相続税の目安を把握しておくことは重要な備えです。

相続税は基礎控除の範囲内であれば申告も納税も不要です。ただし不動産の評価額の計算は複雑で、特に土地については「路線価」という独自の指標を使います。この記事では、仙台市の事例をもとに、相続税の基礎知識からシミュレーションの方法まで解説します。

相続税の基礎控除とは

相続税には「基礎控除額」が設けられており、遺産の総額が基礎控除額を下回る場合は相続税がかかりません。

基礎控除額の計算式

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人とは、民法で定められた相続権を持つ人(配偶者・子・父母など)です。相続放棄した人も法定相続人の数には含めて計算します。

法定相続人の数による基礎控除額の目安

| 法定相続人の数 | 基礎控除額 |

|---|---|

| 1人 | 3,600万円 |

| 2人 | 4,200万円 |

| 3人 | 4,800万円 |

| 4人 | 5,400万円 |

| 5人 | 6,000万円 |

例えば、配偶者と子2人(計3人)が相続人の場合、基礎控除額は4,800万円です。遺産の合計額がこの金額以下であれば相続税はかかりません。

不動産の相続税評価額の計算方法

遺産の評価額を計算する際、不動産については市場価格ではなく「相続税評価額」を使います。

建物の評価額

建物(家屋)の相続税評価額は、固定資産税評価額と同額です。固定資産税の納税通知書または市区町村役場で取得できる「固定資産評価証明書」に記載されています。

土地の評価額(路線価方式)

土地の評価は、仙台市内の多くのエリアでは「路線価方式」が適用されます。

土地の評価額 = 路線価 × 地積(㎡) × 補正率

補正率は土地の形状(不整形・旗竿地など)や間口・奥行きによって調整されます。標準的な形の土地であれば補正率はほぼ1.0です。

路線価とは何か・調べ方

路線価とは、国税庁が毎年7月1日に公表する土地1㎡あたりの価額です。道路(路線)に面した標準的な土地の評価額として設定されています。

路線価の調べ方

  • 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」にアクセスする(毎年7月更新)
  • 都道府県を選択 → 「宮城県」を選ぶ
  • 市区町村を選択 → 「仙台市○○区」を選ぶ
  • 地図上で該当地番の路線価を確認する
  • 路線価は千円単位で表示されます。例えば「250D」と表示されている場合、1㎡あたり250,000円(25万円)を意味します(Dはアルファベットで借地権割合を示します)。

    仙台市各区の路線価目安(2024年基準)

    仙台市内の路線価は、エリアによって大きく異なります。以下は主要エリアの路線価の目安です(2024年時点、幹線道路沿い)。

    | エリア | 路線価の目安(1㎡あたり) |

    |---|---|

    | 青葉区・錦町〜上杉(幹線沿い) | 20〜40万円程度 |

    | 青葉区・仙台駅周辺(商業地) | 80〜200万円程度 |

    | 宮城野区・仙台駅東口周辺 | 25〜60万円程度 |

    | 宮城野区・鉄砲町〜中野栄 | 8〜20万円程度 |

    | 若林区・荒井・六丁の目 | 10〜20万円程度 |

    | 泉区・泉中央周辺 | 15〜30万円程度 |

    | 太白区・長町周辺 | 15〜30万円程度 |

    これはあくまでも目安であり、正確な路線価は国税庁の路線価図でご確認ください。

    相続税シミュレーション例

    ケース1:仙台市青葉区の一戸建てを相続する場合

  • 被相続人:母(父はすでに他界)
  • 相続人:子2人(計2人)
  • 遺産の内訳:
  • - 土地(青葉区・錦町周辺・50㎡):路線価25万円 × 50㎡ = 1,250万円

    - 建物(固定資産税評価額):500万円

    - 預貯金:800万円

  • 遺産合計:2,550万円
  • 基礎控除額:3,000万円 + 600万円 × 2人 = 4,200万円
  • 遺産合計(2,550万円)< 基礎控除額(4,200万円)

    → 相続税はかかりません。申告も不要です。

    ケース2:仙台市青葉区の一戸建て+預貯金・保険を相続する場合

  • 相続人:配偶者と子2人(計3人)
  • 遺産の内訳:
  • - 土地(青葉区・上杉周辺・100㎡):路線価30万円 × 100㎡ = 3,000万円

    - 建物(固定資産税評価額):800万円

    - 預貯金:1,500万円

    - 生命保険金:500万円(非課税枠を超えた部分)

  • 遺産合計:5,800万円
  • 生命保険の非課税枠:500万円 × 3人 = 1,500万円 → 今回は非課税枠内で0円
  • 修正後遺産合計:5,300万円(生命保険は非課税のため)
  • 基礎控除額:3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円
  • 課税遺産総額:5,300万円 − 4,800万円 = 500万円
  • → 相続税の課税対象は500万円です。相続人が3人で法定相続分に従って分割する場合、各人の相続税額は数万〜十数万円程度になります(各人の税率は10%)。なお、配偶者は「配偶者の税額軽減」により実際には相続税がかからないケースが多いです。

    相続税を下げる方法

    小規模宅地等の特例

    被相続人の自宅として使っていた土地(特定居住用宅地等)については、一定の要件を満たすと330㎡まで評価額を80%減額できます。

    上記ケース2の土地(100㎡・3,000万円)に適用した場合:

    3,000万円 × 20% = 600万円(減額後の評価額)

    これにより遺産総額が大幅に圧縮されます。この特例は適用要件が細かいため、税理士に確認することをおすすめします。

    貸家建付地・貸家の評価減

    土地に賃貸物件が建っている場合、土地の評価額が貸家建付地として約20%減額、建物が貸家として約30%減額されます。賃貸経営を行っている物件を相続した場合は、評価額が自用地・自用建物より低くなります。

    まとめ:まず遺産総額を把握することが第一歩

    相続税の計算は複雑に見えますが、まずは「遺産総額が基礎控除額を超えるかどうか」を大まかに確認することが出発点です。

    固定資産税の納税通知書・預貯金の残高・生命保険の証書などを手元に集め、おおよその遺産総額を試算してみてください。基礎控除を超える可能性がある場合は、相続発生前から税理士に相談して対策を検討することが、最も効果的な節税につながります。

    仙台市内の不動産に関するご相談は、お問い合わせから承っています。相続した不動産の売却については不動産売却についてをご覧ください。相続税対策や不動産評価に関する詳しい記事はコラム一覧もあわせてご参照ください。

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