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空き家6分で読めます執筆: 森 信幸代表取締役

仙台で空き家を売る前に知っておくべき3,000万円特別控除の条件と手続き

仙台で空き家を売る前に知っておくべき3,000万円特別控除の条件と手続き

「親が亡くなって実家が空き家になった」「相続した家を売ろうとしている」という方に、ぜひ知っておいていただきたい税制優遇があります。それが被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除(通称:空き家3,000万円特別控除)です。

条件を満たせば、売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除できるため、税負担を大きく抑えられます。一方で、要件が細かく、「うっかり適用外だった」というケースも珍しくありません。この記事では、仙台市での空き家売却を想定しながら、条件・手続き・注意点を具体的に解説します。

空き家3,000万円特別控除とは

正式には「租税特別措置法 第35条第3項」に基づく制度で、2016年4月から適用が開始されました。

相続した家屋(および土地)を売却した際に、売却益(譲渡所得)から最大3,000万円を控除できる制度です。

譲渡所得税の計算への影響

| 項目 | 内容 |

|---|---|

| 譲渡所得 | 売却価格 − 取得費 − 譲渡費用 |

| 控除前の税率 | 所有5年以下:短期39.63%、5年超:長期20.315% |

| 控除後の効果 | 3,000万円まで課税対象からゼロになる |

たとえば、仙台市青葉区の住宅地に建つ戸建てを4,000万円で売却し、取得費・譲渡費用が合計1,500万円だった場合、控除なしだと譲渡所得2,500万円に約508万円(長期譲渡所得税)が課税されます。3,000万円特別控除が使えれば、譲渡所得が2,500万円 → 0円となり、税負担がゼロになります。

適用される主な要件

以下の要件をすべて満たす必要があります。

要件1:被相続人が居住していた家であること

亡くなる直前まで被相続人(故人)が住んでいた家であることが原則です。ただし、老人ホームへの入居を理由に空き家になっていた場合でも、一定の要件を満たせば適用が認められるようになりました(2023年12月31日以前は要件が厳格でしたが、現在は要件が緩和されています)。

要件2:1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること

現行の耐震基準(新耐震基準)が施行された1981年6月1日以降に建てられた建物は対象外です。

仙台市内でも、昭和40〜50年代に建てられた住宅が多く残っており、こうした物件が主な対象になります。

要件3:相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却

たとえば、2023年1月に相続が発生した場合、売却の期限は2026年12月31日です。相続後に放置していると、気づけば期限が過ぎていたというケースがあります。早めに売却の方向性を決めることが重要です。

要件4:売却価格が1億円以下であること

高額物件は適用外です。仙台市内の一般的な住宅地であれば、ほとんどのケースでこの要件はクリアできます。

要件5:相続時から売却時まで空き家(居住・賃貸・事業用途での使用がないこと)

これが最も見落とされやすい要件です。売却前に賃貸として活用した場合、この控除は使えなくなります。一時的な貸し出しであっても、居住用財産でなくなるため原則として適用外となります。

要件6:耐震基準を満たした上での売却(または更地での売却)

売主が耐震リフォームを実施した上で売却するか、建物を解体して更地にしてから売却するかのどちらかが必要です。旧耐震基準の建物をそのままの状態で売却しても適用されません。

2024年1月1日以降の売却については、買主側が取得後に耐震改修または解体を行った場合でも適用が認められるように要件が拡充されました(事後的な工事でも可)。この点は税理士への確認が必要です。

よくあるNGケース

ケース1:賃貸に出した後で売却しようとした

賃貸契約を結んだ時点で「空き家ではなくなる」ため、この控除の対象外となります。賃貸で収益を得ながら最終的に売却しようとすると、控除が使えない場合があります。

ケース2:3年の期限を過ぎていた

相続から3年以内に売却しなければなりません。「いつか売ろう」と先送りにしているうちに期限が切れるケースは実際に多く見られます。

ケース3:親が老人ホームに入居した後、家族が居住していた

被相続人(故人)が老人ホームに移った後、相続人が実家に住んでいた場合、「被相続人の居住用財産」とは見なされないため対象外になることがあります。

ケース4:建物をそのまま(旧耐震基準のまま)売却した

2023年12月31日以前の売却では、引き渡し前に耐震改修または解体を完了している必要がありました。現在は買主側の事後的な工事でも認められるケースがあるものの、確認は必須です。

手続きの流れ

  • 売却前に要件を確認する(不動産会社・税理士への相談を推奨)
  • 耐震改修または解体の実施(または買主との合意のもと事後対応の確認)
  • 売買契約・引き渡し
  • 確定申告での特別控除の申請(翌年2〜3月の確定申告期間中に申告)
  • 必要書類(主なもの)

    | 書類 | 入手先 |

    |---|---|

    | 売買契約書・領収書 | 売却時に取得 |

    | 被相続人の住民票の除票 | 市区町村役場 |

    | 相続登記済みの登記事項証明書 | 法務局 |

    | 耐震基準適合証明書または解体証明書 | 建築士・解体業者 |

    | 確定申告書(租税特別措置法35条の申告)| 税務署・e-Tax |

    相続登記との関係に注意

    2024年4月から相続登記が義務化されました。登記が完了していない状態では売却の手続きが進められません。相続発生から時間が経過している場合は、まず相続登記を済ませる必要があります。相続登記の詳細については相続登記義務化の解説記事をご覧ください。

    まとめ:3,000万円控除は「期限」と「使い方の順序」がカギ

    空き家の3,000万円特別控除は、条件を満たせば非常に大きな節税効果があります。しかし「賃貸に出してから売る」「期限を過ぎてから売る」といった判断ミスで控除を失うケースが後を絶ちません。

    空き家の活用方法を検討する際は、最初に「売却」か「賃貸」かの方向性を決め、売却を選ぶなら3年の期限と耐震対応を計画的に進めることが重要です。

    エムアセッツ株式会社では、仙台市内の空き家・相続不動産の売却相談を承っています。「どちらがお得か」「いつ売るべきか」のアドバイスも含めてご対応しますので、お問い合わせからお気軽にご連絡ください。


    空き家の賃貸活用については「仙台市の空き家をリノベして賃貸活用する費用対効果と注意点」も参考にしてください。売買物件の情報は売買物件情報、相続に関連するコラムは相続コラム一覧でも確認できます。

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