メインコンテンツへ
売却7分で読めます執筆: 森 信幸代表取締役

不動産売却後の税金と確定申告の流れ|譲渡所得税の計算方法

不動産売却後の税金と確定申告の流れ|譲渡所得税の計算方法

不動産を売ったら「税金」と「申告」が必要です

不動産を売却して利益が出た場合、その利益に対して税金がかかります。これを譲渡所得税と呼びます。年間の給与所得とは別に計算し、翌年の確定申告で申告・納付する必要があります。

「不動産を売ったら自動的に税金が引かれる」と思っている方もいますが、そうではありません。売主が自ら計算して申告する義務があります。申告を忘れると、加算税や延滞税のペナルティが発生することもあります。

この記事では、仙台市で不動産を売却した方が知っておくべき税金の仕組みと、確定申告の流れをわかりやすく解説します。


譲渡所得とは何か

計算の基本式

```

譲渡所得 = 売却金額 ー(取得費 + 譲渡費用)

```

売却金額:物件を売った金額(手取りではなく売買契約書の金額)

取得費:物件を購入したときの費用の合計

  • 購入価格(土地・建物)
  • 購入時にかかった仲介手数料
  • 登記費用・印紙税
  • 購入時のリフォーム費用(資本的支出)
  • ※建物は減価償却後の金額を使う
  • 譲渡費用:売却にかかった費用

  • 売却時の仲介手数料
  • 売買契約書の印紙税
  • 建物の取り壊し費用(土地売却のため解体した場合)
  • 測量費・登記費用

  • 取得費の注意点:減価償却と概算取得費

    建物は減価償却で価値が下がっている

    建物は年々減価償却が行われるため、取得費は購入時の価格ではなく、「購入価格から減価償却分を差し引いた金額」を使います。

    非事業用(マイホーム)の場合の減価償却率

  • 木造:0.9 × 0.031 × 経過年数
  • 鉄筋コンクリート造:0.9 × 0.015 × 経過年数
  • 計算例

    仙台市青葉区で2010年に3,000万円(土地1,500万円・建物1,500万円)で購入した木造一戸建てを2026年に売却する場合:

    減価償却額 = 1,500万円 × 0.9 × 0.031 × 16年 = 約669万円

    建物の取得費 = 1,500万円 ー 669万円 = 831万円

    取得費合計 = 土地1,500万円 + 建物831万円 = 2,331万円

    取得費が不明な場合:概算取得費5%ルール

    「昔に相続した物件で購入価格の証明書類がない」というケースでは、売却価格の5%を取得費として使う「概算取得費」が認められています。

    例:3,000万円で売却 → 取得費は3,000万円 × 5% = 150万円

    概算取得費を使うと取得費が非常に少なくなるため、譲渡所得が大きくなり税負担が増します。可能な限り購入当時の書類(売買契約書・登記簿謄本・仲介手数料の領収書など)を探すことが大切です。


    税率:所有期間で変わる

    譲渡所得税の税率は、売却した年の1月1日時点での所有期間によって変わります。

    | 所有期間 | 区分 | 所得税 | 住民税 | 合計税率 |

    |---------|------|--------|--------|---------|

    | 5年以下 | 短期譲渡所得 | 30% | 9% | 39%(※) |

    | 5年超 | 長期譲渡所得 | 15% | 5% | 20%(※) |

    ※復興特別所得税(2037年まで)が加算されるため実際は若干高くなります。たとえば長期の場合、所得税15%に対して復興特別所得税(15% × 2.1% ≒ 0.315%)が加算され、合計約20.315%になります。


    3,000万円特別控除とは

    マイホーム(居住用財産)を売却した場合、一定の条件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できます。これが「3,000万円特別控除」です。

    適用条件

  • 現在住んでいる家(または住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却)
  • 売り手と買い手が親族・夫婦などの特別な関係にないこと
  • 前年・前々年にこの特例を使っていないこと
  • 10年超所有の軽減税率の特例と重複適用も可能
  • 適用例

    | 項目 | 金額 |

    |------|------|

    | 売却価格 | 4,000万円 |

    | 取得費+譲渡費用 | 2,500万円 |

    | 譲渡所得(控除前) | 1,500万円 |

    | 3,000万円特別控除 | ▲3,000万円(最大) |

    | 課税譲渡所得 | 0円(控除額が所得を上回るため税金ゼロ) |

    この例では、特別控除の適用により税負担がゼロになります。

    空き家の3,000万円特別控除(相続の場合)

    2019年から、相続した親の実家(空き家)を売却する場合にも3,000万円特別控除が使えるようになりました(空き家特例)。ただし耐震性や一定要件を満たす必要があります。詳細は別記事「空き家の3,000万円特別控除」をご参照ください。


    10年超所有の軽減税率の特例

    マイホームを10年超所有していた場合、課税譲渡所得6,000万円以下の部分について税率が軽減されます。

    | 区分 | 通常の長期税率 | 10年超の軽減税率 |

    |------|-------------|---------------|

    | 6,000万円以下の部分 | 20.315% | 14.21% |

    | 6,000万円超の部分 | 20.315% | 20.315% |

    3,000万円特別控除と重複して適用できるため、長期所有のマイホームを売る場合は非常に有利な制度です。


    具体的な計算例

    前提

  • 仙台市宮城野区のマンション(区分所有)
  • 2015年に2,800万円で購入(土地相当500万円・建物2,300万円)
  • 2026年に3,500万円で売却
  • 居住用・所有期間10年超
  • 仲介手数料:売却時110万円・購入時92万円
  • ステップ1:取得費の計算

    建物の減価償却(RC造・11年)

    2,300万円 × 0.9 × 0.015 × 11年 = 約341万円

    建物取得費 = 2,300万円 ー 341万円 = 1,959万円

    取得費合計 = 500万円(土地)+ 1,959万円(建物)+ 92万円(購入時仲介手数料)= 2,551万円

    ステップ2:譲渡費用

    売却時仲介手数料 110万円

    ステップ3:譲渡所得

    3,500万円 ー(2,551万円 + 110万円)= 839万円

    ステップ4:3,000万円特別控除後

    839万円 ー 3,000万円 = 課税所得0円 → 税負担ゼロ


    確定申告の手順

    申告期限

    売却した翌年の2月16日〜3月15日が申告期間です。

    必要書類

  • 売買契約書(売却時・購入時の両方)
  • 仲介手数料・諸費用の領収書
  • 登記事項証明書
  • 住民票(居住用の証明に使う場合)
  • マイナンバー関連書類
  • 申告先

    住所地の所轄税務署(仙台市なら、たとえば仙台北税務署・仙台南税務署など管轄に応じて)

    e-Taxを使うと便利

    国税庁の「確定申告書等作成コーナー」(e-Tax)では、画面の案内に従って入力するだけで申告書が作成できます。計算式が複雑な場合は、税理士への相談も有効です。


    税金ゼロでも申告は必要

    3,000万円特別控除を使って税負担がゼロになる場合でも、確定申告は必要です。申告しないと特例の適用を受けられないほか、申告漏れとして指摘されるリスクがあります。


    まとめ

    不動産売却の税金は複雑ですが、ポイントを押さえれば自分でも計算できます。

  • 譲渡所得 = 売却額 ー(取得費 + 譲渡費用)
  • 所有5年超なら税率は約20%
  • 居住用なら3,000万円特別控除が使える
  • 翌年の確定申告(2〜3月)を必ず行う
  • エムアセッツでは、仙台市での不動産売却に関するご相談を受け付けています。税金の試算に必要な情報の整理についても、専門家と連携してサポートしますのでお気軽にお問い合わせください。

    この記事をシェアする

    仙台の不動産売却をお考えですか?

    不動産売却・買取に関するご相談はエムアセッツまでお気軽にお問い合わせください。

    関連するコラム

    物件・テナントのお問い合わせ