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空き家6分で読めます執筆: 森 信幸代表取締役

仙台市の空き家バンクに登録するメリット・デメリットと利用実績

仙台市の空き家バンクに登録するメリット・デメリットと利用実績

仙台市が運営する「空き家バンク」は、空き家の所有者と利用希望者をマッチングする公的な制度です。「登録すれば売れるの?」「一般の不動産会社に依頼するのと何が違うの?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。

この記事では、仙台市の空き家バンク制度について、登録のメリット・デメリット・実際の利用状況を整理した上で、一般売却・買取との使い分けの判断基準まで具体的に解説します。

仙台市空き家バンクとは

仙台市の空き家バンクは、市内に所在する空き家の「売りたい・貸したい」所有者と、「活用したい・利用したい」希望者をマッチングするウェブサービスです。仙台市が窓口となり、物件情報を公開します。

制度の基本的な流れ

  • 空き家の所有者が仙台市に登録申請を行う
  • 市が審査・確認を経て物件情報をウェブサイトで公開
  • 利用希望者(購入・賃借・リノベーション希望者など)が市を通じて問い合わせ
  • 所有者と希望者が直接交渉・契約(市は仲介せず、橋渡し役のみ)
  • 重要な点:市は「仲介業者」ではありません。成立した売買・賃貸契約には別途、不動産会社への仲介依頼が必要になる場合があります。

    登録できる物件の条件

    仙台市の空き家バンクに登録できる物件には、主に以下の要件があります。

  • 仙台市内に所在する建物であること
  • 現在、人が居住していない空き家であること
  • 売却または賃貸の意向があること
  • 著しく老朽化・危険な状態でないこと(倒壊の恐れがある建物は対象外)
  • 所有者の権利関係が明確であること(相続登記が完了しているなど)
  • 築年数に関する制限は設けられていないものの、危険な状態の建物は登録できません。実際に登録できるかどうかは、申請後に仙台市が確認します。

    空き家バンクに登録するメリット

    メリット1:登録・マッチングが無料

    空き家バンクへの登録費用は無料です。売却・賃貸のための広告を自分で出す必要がなく、市の窓口を通じて潜在的な買い手・借り手にリーチできます。

    メリット2:移住・活用目的の需要者にリーチできる

    空き家バンクを利用する側は「都市から仙台に移住したい」「古民家をリノベーションして活用したい」「小規模なコワーキングスペースを作りたい」といった、通常の不動産市場では出会いにくい層が含まれます。

    特に立地が郊外で一般市場での売却が難しい物件でも、移住促進の文脈で注目されるケースがあります。

    メリット3:管理の手間から解放されるきっかけになる

    空き家バンクへの登録をきっかけに、長年「どうしようか」と悩んでいた空き家の処分に向けて動き出せるメリットがあります。問い合わせが来ることで所有者の意思決定が進みやすくなります。

    メリット4:自治体の補助金制度と組み合わせやすい

    仙台市では、空き家バンクに登録した物件の売買・賃貸が成立した場合に、リフォーム補助などを受けやすくなる場合があります(補助内容・要件は年度によって変わるため、市への確認が必要です)。

    空き家バンクのデメリットと注意点

    デメリット1:成約までに時間がかかることが多い

    空き家バンクに登録しても、すぐに買い手・借り手が見つかるとは限りません。マッチングには数ヶ月〜数年かかるケースもあります。「できるだけ早く処分したい」という方には向いていない場合があります。

    デメリット2:市場価格より低い価格での成約になりやすい

    空き家バンクを通じて問い合わせてくる相手は、一定の交渉力を持つケースが多く、価格を相場より低く提示されることがあります。通常の不動産市場で売却できる可能性がある物件であれば、一般媒介・専任媒介のほうが高値で売れることも多いです。

    デメリット3:契約・交渉は当事者間で行う必要がある

    市はマッチングの橋渡しをするだけで、売買・賃貸契約の手続きをサポートしてくれるわけではありません。契約書の作成・法的確認・価格交渉については、不動産会社や司法書士への依頼が別途必要になります。

    デメリット4:老朽化した建物は登録できない場合がある

    前述の通り、著しく老朽化した建物は登録拒否されることがあります。倒壊の恐れがある建物は、先に解体して更地にしてから売却を検討するルートのほうが現実的です。

    一般売却・買取との比較

    | 項目 | 空き家バンク | 一般売却(仲介) | 不動産買取 |

    |---|---|---|---|

    | 費用 | 登録無料(別途仲介費用が必要な場合あり) | 仲介手数料3〜3.3%(+消費税) | 手数料なし |

    | 売却価格 | 相場より低めになりやすい | 市場価格に近い | 市場価格の70〜80%程度 |

    | 成約速度 | 遅い(数ヶ月〜年単位) | 普通(数ヶ月) | 速い(数週間〜1〜2ヶ月) |

    | 向いている物件 | 郊外・古民家・移住促進エリア | 立地の良い一般住宅地 | 老朽化・早期現金化希望 |

    | 向いていない物件 | 急いで処分したい物件 | 著しく老朽化した物件 | 高値売却を優先したい物件 |

    空き家バンクが向いているケース・向いていないケース

    向いているケース

  • 郊外の戸建てや農家住宅で、一般市場での売却先が見つかりにくい
  • 「安くても誰かに使ってほしい」という意向がある
  • 急いで処分する必要がない
  • 移住者・リノベーション活用者に渡したい意向がある
  • 向いていないケース

  • 相続から3年以内に売却して3,000万円特別控除を使いたい(→早期売却が必要)
  • 市場価格に近い価格で売却したい
  • 相続登記が未完了・権利関係が複雑な物件
  • 著しく老朽化・危険な状態にある建物
  • 登録手続きの流れ

  • 仙台市建設局住宅政策課(空き家相談窓口)に問い合わせ・事前相談
  • 登録申請書類の提出(物件の概要・権利関係の書類など)
  • 市による現地確認・審査
  • 承認後、市のウェブサイトに物件情報を掲載
  • 問い合わせが来た場合、所有者が直接対応
  • まとめ:空き家バンクは「手段のひとつ」として検討する

    仙台市の空き家バンクは、一般市場で売れにくい物件や移住・活用目的の買い手・借り手とつながりたい場合に有効な制度です。しかし「登録すれば解決する」ものではなく、成約まで時間がかかったり、価格交渉が必要になったりする場面もあります。

    空き家の処分を検討する際は、空き家バンク・一般売却・買取・賃貸の4つの選択肢をそれぞれの物件状況・急ぎの度合い・希望価格をもとに比較することをおすすめします。

    エムアセッツ株式会社では、仙台市内の空き家・相続不動産に関するお問い合わせを受け付けています。どの活用方法が適しているかの判断も含めてサポートしますので、お問い合わせよりご連絡ください。


    空き家の売却に関連する税制については「仙台で空き家を売る前に知っておくべき3,000万円特別控除の条件と手続き」もご覧ください。売買物件の詳細は売買物件情報、相続関連のコラムは相続コラム一覧で確認できます。

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