一棟アパートを所有している投資家にとって、「このまま保有し続けるべきか、それとも今が売り時なのか」という判断は常につきまとう難題です。特に仙台市のような地方政令市では、人口動態・建物の老朽化・金利環境など複数の要素が絡み合い、判断が難しくなります。
この記事では、仙台市で一棟アパートを所有するオーナー向けに、売却と保有それぞれの視点から考えるべき判断基準を整理します。
売却と保有の判断は「インカムゲイン vs キャピタルゲイン」で考える
不動産投資の収益には大きく2種類あります。
保有を続ける判断は「今後も安定したインカムゲインが見込めるか」を問います。売却の判断は「今売れば想定より高い価格(キャピタルゲイン)が得られるか、または今後のインカムゲイン低下リスクを回避できるか」を問います。
この2軸のバランスをどう見るかが、出口戦略の核心です。
保有継続が有利なケース
利回りが依然として高く安定している
実質利回り(経費控除後)が5〜6%以上を維持しており、空室率も低い状態であれば、無理に売却する必要はありません。特に、仙台市青葉区の錦町・上杉エリアや宮城野区鉄砲町など、賃貸需要が旺盛なエリアの物件は入居者が集まりやすく、安定したインカムゲインが期待できます。
建物が新しく修繕コストが低い
築10年以内の重量鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物は、大規模修繕の時期がまだ先であり、維持コストが低く抑えられます。積水ハウス施工のシャーメゾンのような高品質な建物は、競合物件との差別化もしやすく、入居率が維持しやすいという特徴があります。
ローンの残債が多い段階
購入後10年以内で残債が多い時期は、売却しても売却価格がローン残債を下回る「オーバーローン」になるケースがあります。この場合、手元に残る資金が少なくなるため、保有を続けてローンを返済しながら資産価値を積み上げていくほうが合理的です。
売却を検討すべきケース
利回りが大幅に低下している
家賃下落・空室の長期化・修繕費の増大によって実質利回りが3%台以下に落ちてきた場合、同じ資金を別の投資に回したほうが効率的になる可能性があります。
「今の利回りで今後も運用を続けた場合の収益総額」と「今売却して得た資金を別の投資に充てた場合の期待収益」を比較することが重要です。
築年数が20〜25年を超えてきた
木造・軽量鉄骨造のアパートは、法定耐用年数(木造22年、軽量鉄骨19〜27年)が近づくにつれ、融資が付きにくくなり、買い手が限られてきます。売却できる時期を逃すと、最終的に二束三文での処分を迫られることもあります。
築20年を超えたタイミングは「売却を真剣に検討し始めるべき節目」の一つです。仙台市内でも2000〜2005年前後に建てられたアパートは、この判断の時期を迎えています。
市況が売り手有利になっている
不動産市場の需給バランスが「売り手優位」の時期は、高値での売却が期待できます。2024〜2025年の仙台市不動産市場は、建築費高騰による新規供給減少と投資需要の堅調さから、収益物件の価格が上昇局面にあります。
「今の価格水準は数年後も維持されるのか」という視点を持ち、高値圏での売却も選択肢に入れることが重要です。
金融機関の融資状況が変化している
金利上昇局面では、不動産の収益還元評価が下がり、物件価格に下押し圧力がかかります。変動金利で融資を受けている場合、返済負担が増加してキャッシュフローが悪化するリスクもあります。金利環境の変化を早めにキャッチし、保有リスクを再評価することが大切です。
仙台市の不動産市況と売却タイミング
青葉区・宮城野区の収益物件は価格が底堅い
仙台市の収益物件市場では、青葉区の好立地物件と宮城野区の仙台駅東口周辺物件が特に注目されています。人口集中が続くエリアであり、賃料単価も維持しやすいため、売却を急がない投資家でも高値を期待しやすい状況が続いています。
若林区・荒井周辺は地下鉄東西線沿線の評価が継続
地下鉄東西線の荒井駅周辺は、沿線開発が続いており賃貸需要が堅調です。新築物件の供給も多く、長期的には競合激化が見込まれるため、保有・売却のタイミングを慎重に見極める必要があります。
売却か保有かを判断するための数値チェックリスト
以下の指標を実際に計算して判断の参考にしてください。
| 判断指標 | 保有継続が有利 | 売却を検討 |
|---------|-------------|----------|
| 実質利回り | 5%以上 | 3%台以下 |
| 空室率 | 10%以下 | 20%以上が続く |
| 築年数(木造・軽鉄) | 15年未満 | 20年超 |
| ローン残債 | 売却価格の80%以上 | 売却価格の50%以下 |
| 月次キャッシュフロー | プラス | マイナスまたはほぼゼロ |
売却の前に確認すべき税務の視点
一棟アパートを売却する場合、売却益(譲渡所得)には税金がかかります。
所有期間が5年を超えると税率が大幅に下がるため、売却を急がずに5年超を待てる状況なら税負担を抑えられます。個人・法人のどちらで保有しているかによっても税務処理が異なるため、事前に税理士への相談を強く推奨します。
まとめ:「何のために保有しているか」を問い直す
売却か保有かの判断に迷ったとき、最終的に立ち返るべき問いは「この物件を何のために保有しているか」です。
不動産は「所有するだけ」では価値を最大化できません。保有か売却かを定期的に問い直し、状況に応じた柔軟な戦略を取ることが長期的な投資成功につながります。
仙台市の収益物件(一棟アパート)の売却査定や売却相談は不動産売却・売買情報からご確認ください。個別のご相談はお問い合わせからお気軽にどうぞ。
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