飲食テナント選びで失敗しないために
飲食店・カフェの開業準備において、テナント物件の選択は事業の成否を左右する最重要事項のひとつです。立地条件や賃料だけに目を奪われてしまい、いざ契約後に「グリストラップが設置できない」「換気ダクトのルートが確保できない」「用途地域の制限で希望の業態で出店できない」といった問題が発覚するケースは珍しくありません。
開業準備は内装工事・厨房設備の発注・スタッフ採用など並行して進む作業が多く、物件選定の段階で致命的なミスを犯すと、すべてのスケジュールが狂ってしまいます。以下のチェックリストを内見前・内見中・契約前の各フェーズで活用し、物件選びの漏れをなくしましょう。
法規制・行政手続きのチェック
用途地域の確認
テナントが位置する用途地域によって、出店できる業種が法律で制限されます。飲食店の場合、第一種・第二種低層住居専用地域および第一種中高層住居専用地域では原則出店できません。仙台市のWebサイト(都市計画情報閲覧システム)または青葉区・宮城野区などの都市整備部門の窓口で用途地域を確認できます。商業地域・近隣商業地域・準商業地域・第二種中高層住居専用地域以上であれば飲食店の出店は原則可能です。
仙台の主要飲食エリアである一番町・国分町・錦町・上杉は商業地域または近隣商業地域が多く、出店制限の心配は少ないですが、住宅地に近い路面店を狙う場合は必ず事前確認を行ってください。
食品営業許可の取得要件
飲食店を開業するには仙台市保健所(各区の保健センター)へ「食品営業許可申請」を提出し、施設検査に合格する必要があります。許可取得のためには厨房設備が食品衛生法の基準を満たしている必要があり、具体的には二槽シンク・手洗い専用シンク・温湯設備(給湯器)・扉付きの食品保管庫などが求められます。居抜き物件であっても、前テナントの設備が現行基準を満たしているとは限らないため、内見時に保健所の担当者に事前相談するのが確実です。
消防法・防火管理者の義務
客席数が30名以上になる場合は防火管理者の選任と届出が義務付けられています。また、消防設備(スプリンクラー・自動火災報知設備・消火器)が現行の消防法基準を満たしているかも確認が必要です。建物竣工年が古い物件では設備が旧基準のままになっていることがあり、改修費用がオーナー負担か借主負担かを契約前に明確にしておきましょう。
設備面のチェックリスト
ガス設備
飲食店での本格的な調理には都市ガスがほぼ必須です。「都市ガス引込済み」かどうか、あるいは引込工事が可能かを確認してください。プロパンガスのみの物件はランニングコストが月数万円単位で高くなるケースがあり、収支計画に影響します。仙台市内では仙台市ガス局のサービスエリアがほぼ全域をカバーしていますが、建物への引込済みかどうかは個別確認が必要です。
給排水・グリストラップ
厨房排水には油脂分を分離・除去するグリストラップの設置が義務付けられています(下水道法および各自治体の排水基準による)。グリストラップの設置スペース(床下への埋設も含む)と排水管の経路・勾配を必ず確認してください。構造上グリストラップが設置できない物件は、どれだけ立地が優れていても飲食店としての使用が困難になります。
換気・排煙ダクト
調理による煙・においを屋外に排出する換気ダクトのルートが確保できるかを確認してください。上階に居住区画がある場合や、建物の構造上ダクトを通せない場合はトラブルの原因になります。また、排気口の向きによっては近隣住民からの苦情につながるため、周辺環境との兼ね合いも考慮が必要です。
電気容量
業務用オーブン・冷蔵庫・エアコン・食洗機・照明を同時稼働する場合、60〜100A以上の電気容量が必要になることが多いです。現在の引込容量(アンペア数)と増設工事の可否・費用をオーナーと事前に確認しておきましょう。
内装・改修条件のチェック
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| スケルトン・居抜きの区別 | スケルトン:内装自由だが工事費が高い。居抜き:既存設備を活用できるが制約もある |
| 原状回復義務の範囲 | 退去時にどこまで元に戻す必要があるかを契約書で明確化 |
| 内装工事の承認フロー | オーナー承認が必要な変更範囲・申請手順を事前確認 |
| 看板の設置可否 | 建物外壁・ファサードへの看板設置ルール・サイズ制限 |
| 床荷重 | 業務用冷蔵庫・厨房機器の重量に対応できる床構造か |
| 開業前の猶予期間 | フリーレント期間(家賃無料期間)の有無と長さ |
特に「原状回復義務の範囲」は、退去時のコストに直結するため契約書の文言を必ず確認してください。スケルトン渡しで入居した物件をスケルトン状態で返却する義務がある場合、退去時の解体費用が数百万円に及ぶこともあります。
賃料と初期費用の目安(仙台市内)
仙台市内のカフェ・飲食向けテナント賃料の目安は以下のとおりです。
| エリア | 坪単価 | 15坪の月額目安 |
|---|---|---|
| 仙台駅前・一番町・国分町 | 1.5万〜2.5万円 | 22.5万〜37.5万円 |
| 錦町・上杉・勾当台周辺 | 0.8万〜1.5万円 | 12万〜22.5万円 |
| 宮城野区(仙台駅東口周辺) | 0.7万〜1.3万円 | 10.5万〜19.5万円 |
| 泉区・長町など郊外主要駅前 | 0.5万〜1.0万円 | 7.5万〜15万円 |
初期費用は保証金(賃料3〜6ヶ月分)・礼金・仲介手数料に加え、内装工事費(スケルトンの場合は坪単価50万〜100万円が目安)・厨房設備費・食器・備品・看板・申請費用などが積み重なります。総額1,000万〜2,000万円以上になるケースも珍しくないため、資金計画は余裕を持って立てることが不可欠です。日本政策金融公庫の「新創業融資制度」や仙台市の創業支援補助金なども活用を検討しましょう。
エムアセッツの錦町テナントで飲食店開業を検討する
エムアセッツ株式会社が管理するレヴール仙台錦町(青葉区錦町2丁目)の1階テナントは、飲食店・カフェの開業に対応可能な路面区画です。給排水引込対応・都市ガス対応・スケルトン渡しで、内装レイアウトを自由に設計できます。仙台駅から徒歩圏内、地下鉄南北線の勾当台公園駅からも近く、錦町・上杉エリアに住むファミリー層やビジネスパーソンをメインターゲットとした地域密着型の出店が可能です。
開業を検討している方には、物件案内だけでなく用途地域・設備条件・行政手続きに関する初歩的な情報提供も行っております。詳細はお問い合わせフォームよりご連絡ください。テナントの詳細・内見のお申し込みはレヴール仙台錦町テナント募集ページからご確認いただけます。そのほかのテナント募集情報はテナント募集ページもあわせてご覧ください。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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