「価格が相場より大幅に安い物件を見つけた」——そう感じた場合は、再建築不可物件である可能性を疑ってみてください。再建築不可物件とは、現在建っている建物を取り壊した後に、同じ土地に新たな建物を建てることができない物件のことです。仙台市内でも特に旧市街地や入り組んだ宅地区画に散見され、適切な知識なく購入すると大きな損失を招くことがあります。
再建築不可になる主な理由
建物を建てるためには、建築基準法の「接道義務」を満たす必要があります。接道義務とは、建築物の敷地が幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接していなければならないというルールです。この条件を満たさない土地は、現在の建物を利用し続けることはできても、取り壊して新たな建物を建てることができません。
再建築不可が生じる代表的なケースは以下の3つです。
道路に接していない無道路地。敷地が道路に接していない場合は、隣地を経由して道路に出るしかなく、法的な接道義務を満たせません。
接道幅員が2メートル未満の旗竿地・細長い通路のみ接する敷地。旗竿地(竿のような通路の先に敷地がある形状)では、通路部分の幅が2メートル未満だと接道義務違反となります。
前面道路の幅員が4メートル未満で建築基準法上の道路に該当しない。仙台市内の古い市街地や密集した住宅地では、幅員4メートル未満の「位置指定道路」外や「里道」に面した敷地が存在します。
再建築不可物件を購入する際のリスク
建替え・大規模改修が制限される。建築確認申請が必要な大規模な増改築はできません。建物の老朽化が進んでも建て替えができないため、物件の価値は時間とともに下落していく傾向があります。
住宅ローンが組みにくい。銀行の住宅ローンでは、担保となる物件が再建築不可である場合、融資を断られるか、担保評価が著しく低くなるケースが多いです。現金購入かノンバンクの利用が前提となることが多く、資金計画に影響します。
売却が難しい。再建築不可物件は市場での流動性が低く、一般の買い手に売却するのが難しい物件です。売却時は隣地所有者への売却や不動産業者への買取が現実的な選択肢となりますが、価格は大幅に下がることが多いです。不動産の売却全体の流れや進め方については不動産売却ガイドも参考にしてください。
火災・地震後の再建ができない。火災や地震で建物が失われた場合、同じ土地に建物を再建することができません。住む場所を失うリスクがあり、火災保険の重要性も通常より増します。
再建築不可物件の活用方法
再建築不可物件をあえて取得して活用するケースも存在します。
リフォーム・リノベーションで賃貸活用。建築確認申請が不要な範囲(床面積の10平方メートル以内の増築、構造耐力上主要な部分の過半を超えない工事)であれば、リフォームで建物を維持しながら賃貸に出すことができます。割安に取得して賃貸収益を得る戦略が成り立つケースもあります。仙台市内の賃貸需要の傾向は仙台転勤ガイドやシャーメゾン特集でも紹介していますので、あわせてご覧ください。
倉庫・資材置場として利用。住居としての利用が難しい場合でも、資材置場や駐車場・駐輪場として活用する選択肢があります。
隣地との合筆による接道義務の解決。隣接する土地と合わせて購入・合筆することで接道義務を満たせる場合があります。この場合、再建築不可が解消され通常の土地として利用できるようになります。
行政の救済措置と43条ただし書き申請
建築基準法第43条のただし書きによる許可を受ければ、接道義務の例外として建築が認められる場合があります。これを「43条ただし書き申請」または「43条2項認定・許可申請」といいます。仙台市では建築指導課に相談の上、一定の要件(農道・河川管理通路等に接している場合など)を満たせば許可が下りるケースもあります。ただし必ず許可されるわけではなく、事前に確認することが必要です。
仙台での実態と注意点
仙台市内では、青葉区の旧市街地・若林区・宮城野区の一部に再建築不可物件が存在します。価格の安さに惹かれて購入を検討する方も多いですが、接道状況の確認は現地での実測と役所への確認が不可欠です。不動産会社に「建築確認取得可否の確認」を依頼することが、失敗しない物件選びの第一歩です。青葉区上杉エリア、宮城野区エリア、若林区荒井エリアなど、周辺エリアの賃貸物件の状況もあわせて確認しておくと、土地活用の判断材料になります。
まとめ
再建築不可物件は、①安価に入手できる可能性がある、②リフォームでの賃貸活用が条件次第で可能、という側面がある一方、③建替えができない、④住宅ローンが難しい、⑤売却時の流動性が低い——という重大なリスクを抱えています。購入前に必ず専門家(不動産会社・建築士・弁護士)に相談し、43条ただし書き申請の可否や隣地との合筆の可能性も含めて総合的に判断することをお勧めします。再建築不可物件に関するよくある疑問はよくある質問でも取り上げていますので参考にしてください。仙台市内の不動産に関するご質問は、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。ほかの購入・活用に関するテーマは不動産コラム一覧でもご紹介しています。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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