2026年改正の概要——なぜ今、区分所有法が変わるのか
区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)が2026年4月1日に施行される形で大幅改正されました。前回の本格改正から約23年が経過しており、この間に日本のマンション事情は大きく変わりました。首都圏や地方都市を問わず、築40年・50年を超える「老朽マンション」が増加し、建替えや大規模修繕を巡る合意形成の難しさが社会問題として浮上してきたのです。
仙台市でも、青葉区・宮城野区・若林区・太白区・泉区の各エリアに、高度成長期から1990年代にかけて建設された中古マンションが多数存在します。管理組合の機能が十分でなかったり、所有者の連絡先が不明になっていたりするケースも珍しくありません。こうした実態を踏まえ、今回の改正は「老朽マンションの再生・建替えをより円滑に進められる仕組みづくり」を中心に据えています。
主な改正ポイントは以下の5点です。
- 建替え・再生決議の要件緩和:従来は区分所有者および議決権の各5分の4(80%)の賛成が必要でしたが、改正後は4分の3(75%)に引き下げられました。
- 所在不明区分所有者の除外制度:長期間連絡が取れない所有者を手続きを踏んで議決権の母数から除外できる制度が新設されました。
- マンション管理計画認定制度の拡充:長期修繕計画や管理規約の整備状況を行政が認定する制度が整備・強化されました。
- 管理組合の意思決定円滑化:WEB会議や電子議決権行使が法律上明確に認められ、総会への参加ハードルが下がりました。
- 標準管理規約の改正:2026年4月に国土交通省が標準管理規約を改訂し、各マンションの規約整備の指針が更新されました。
購入者が知るべき変化——建替えリスクと管理組合の透明性
マンションを購入する立場から見ると、今回の改正には「リスクの変化」と「安心材料の増加」という両面があります。
建替え決議が通りやすくなったことのリスク
建替え決議の要件が4分の3に緩和されたことで、老朽化したマンションでは従来よりも建替えが現実の選択肢として浮上しやすくなります。購入検討中の築古マンションが将来的に建替えの対象になる可能性を、購入前に考慮しておく必要があります。
建替えが決議された場合、参加しない区分所有者は「建替え参加者に対して売渡請求権を行使される」可能性があります。つまり、住み続けたくても、一定の条件下では退去を余儀なくされるケースが出てきます。仙台市内でも、青葉区中心部や宮城野区沿線の築40年超マンションを購入する際には、将来の建替え計画の有無を管理組合に確認することが重要です。
管理計画認定が「見える化」を促進する
一方、管理計画認定制度の拡充は購入者にとってプラスに働きます。認定を受けたマンションは、長期修繕計画の策定や修繕積立金の適切な積み立てが確認されていることを意味します。認定の有無が「管理の優良さ」を示す指標になるため、購入前に認定状況を調べることで、管理が行き届いているかどうかを判断しやすくなります。
また、WEB決議の法制化によって管理組合の運営が活性化する可能性があります。総会参加率が上がれば、修繕積立金の増額や長期修繕計画の見直しといった重要事項の意思決定がスムーズになり、マンション全体の資産価値維持につながります。
売却者が知るべき変化——管理状況が価格に影響する時代へ
マンションを売却する立場からも、今回の改正は無視できません。
管理状況の「差別化」が鮮明になる
改正前は、マンションの売買価格は主に立地・広さ・築年数・設備で決まる傾向がありました。しかし管理計画認定制度が普及するにつれ、「認定を受けている管理組合のマンション」と「そうでないマンション」で、購入者の評価が分かれるようになっていきます。
修繕積立金が適切に積み立てられているマンション、長期修繕計画が整備されているマンションは、買い手にとって安心感が高く、価格交渉でも有利になりやすいです。逆に積立金が不足していたり、管理組合の総会が長年開催されていなかったりするマンションは、値引き交渉の材料にされるリスクが高まります。
仙台市内で売却を検討している方は、売り出し前に管理組合の財務状況や修繕積立金残高を改めて確認し、必要に応じて不動産会社に適切な売出価格の相談をすることをお勧めします。
所在不明者除外制度の影響
売却を検討しているマンションの管理組合で、所在不明の区分所有者が多数いる場合、これまでは建替えや大規模修繕の合意形成が事実上不可能でした。新制度によってこれが解消に向かう見通しであり、将来的な建替え計画の実現可能性が高まったマンションは、投資目的の買い手からの需要が増す可能性もあります。
仙台の中古マンション市場への影響
仙台市は東北地方の中心都市として、中古マンション市場が一定の厚みを持っています。特にJR仙台駅周辺・地下鉄沿線(南北線・東西線)の物件は需要が安定しており、老朽マンションの再生・建替えが現実的な議論として行われる素地があります。
今回の改正を受け、以下のような変化が仙台市場でも予想されます。
- 築古マンションの管理組合活動が活発化:WEB決議の普及で総会参加率が上がり、修繕積立金の見直しが進むマンションが増える可能性があります。
- 管理計画認定の取得競争:認定を受けることで物件の差別化につながるため、管理組合が認定取得に動くケースが増えると考えられます。
- 老朽マンションの再生議論が加速:建替え要件の緩和と所在不明者除外制度の組み合わせにより、これまで議論が止まっていたマンションで再生計画が動き出す可能性があります。
仙台市青葉区・宮城野区・若林区・太白区・泉区それぞれのエリア特性や、具体的な物件状況についてはエムアセッツにお気軽にご相談ください。
内覧・購入前チェックポイント
中古マンションの購入を検討する際に、今回の改正を踏まえて確認しておくべきポイントをまとめます。
管理組合の財務状況
- 修繕積立金の残高と積立計画
- 長期修繕計画の有無と最終改訂年
- 直近の管理費・修繕積立金の滞納状況
建替え・再生に関わる情報
- 建替え計画や大規模修繕の議論の有無
- 過去5年間の総会議事録の確認
- 管理計画認定の取得状況
所在不明者に関わる情報
- 連絡が取れない区分所有者の有無(管理会社に確認)
- 将来の意思決定に影響が出る可能性の有無
これらの情報は、重要事項説明書や管理組合への問い合わせを通じて確認できます。仲介会社を通じて適切に情報収集することが、将来のトラブル回避につながります。
まとめ——改正を「チェック機会」として活かす
2026年4月施行の区分所有法改正は、マンションの購入・売却の判断基準を変える可能性があります。購入者にとっては建替えリスクと管理の透明性の両面を、売却者にとっては管理状況が価格に与える影響をそれぞれ意識することが求められます。
仙台市内の中古マンション探し・売却相談は、地元密着のエムアセッツ株式会社にお任せください。区分所有法改正を踏まえた管理状況の確認方法から、適切な購入・売却タイミングの判断まで、専門スタッフが丁寧にサポートします。まずはお気軽にお問い合わせください。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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