賃貸物件でウォシュレットが「ない」ことは珍しくない
仙台で賃貸物件を探していると、キッチンのガスコンロやIHコンロ、宅配ボックスの有無は物件情報に明記されていても、トイレの温水洗浄便座(いわゆるウォシュレット)については触れられていないことがよくあります。新築や大規模リフォーム済みの物件では標準装備になっている一方、築年数が経過した物件では便座が普通便座のままというケースも珍しくありません。
冬の冷え込みが厳しい仙台では、便座が冷たいままだと朝の支度がつらく感じられることもあり、内見時に見落としがちな設備のひとつです。契約を決める前に、この記事で紹介するチェックポイントを押さえておくと、入居後に「思っていた設備と違った」という後悔を避けやすくなります。
内見時に確認しておきたいポイント
物件情報の設備欄だけでは判断できないことも多いため、実際に内見した際は次の点を自分の目で確認しておくと安心です。
- 便座の種類(普通便座か温水洗浄便座か、リモコン式か便座横のスイッチ式か)
- トイレ内または近くにコンセントがあるか(温水洗浄便座の稼働には電源が必須です)
- 便器の大きさ(号数)や形状(後付けの温水洗浄便座には対応サイズがあります)
- 給水管の分岐に対応できる止水栓の形状か
コンセントが室内に見当たらない場合、そもそも後付けの温水洗浄便座を設置できない、もしくは電源増設の工事が必要になることがあります。内見の際は不動産会社の担当者に「このトイレにコンセントの増設は可能か」を確認しておくと、契約後の手戻りを防げます。
賃貸物件に後付けする前に確認すべきこと
温水洗浄便座がない部屋を借りる場合でも、退去時の原状回復を条件に自分で設置できることがあります。ただし、設置前に必ず確認しておきたい点があります。
まず、賃貸借契約書や重要事項説明書に設備の増設・変更に関する条項がないかを確認します。給水管や電源への工事を伴う設置は、管理会社や貸主の事前承諾が必要になるのが一般的です。無断で給水管に手を加えると、退去時に原状回復費用を請求される可能性があるだけでなく、契約違反として扱われるおそれもあります。
次に、設置作業を自分で行うか業者に依頼するかを判断します。給水管の分岐や電源工事を伴うタイプは、水漏れや漏電のリスクを避けるためにも専門業者に依頼するのが基本です。一方で、置き型で電源をコンセントから直接取るタイプであれば、工事を伴わずに設置できる製品もあります。
後付けタイプの選び方と費用の目安
後付けの温水洗浄便座には、大きく分けて次のようなタイプがあります。
- 便座交換タイプ(既存の便座を丸ごと交換し、給水管を分岐させて温水を供給する)
- 瞬間式・貯湯式などの機能による違い(お湯の温め方が異なり、価格帯も変わる)
- 電源直結タイプと、給水管の工事が不要な簡易設置タイプ
費用は製品のグレードや工事の有無によって幅があり、賃貸物件では退去時に取り外して持ち帰れる製品を選ぶ人も多いようです。購入前には、家電量販店や住宅設備業者に仙台の物件事情(築年数・トイレの号数・給水管の形状)を伝えたうえで、対応可能な製品と概算費用を見積もってもらうことをおすすめします。数字だけを見て安易に購入すると、便器の号数や給水管の位置が合わず設置できないケースもあるため注意が必要です。
高齢者と同居する世帯や、小さな子どもがいる世帯では、便座の温かさや温水洗浄機能が日々の暮らしの快適さに直結しやすい設備でもあります。とくに寒冷地である仙台では、冬場のヒートショック対策として便座の暖房機能を重視する家庭も見られます。物件を比較する際は、家賃や間取りだけでなく、こうした設備面の優先順位も家族で話し合っておくと、内見時の確認漏れを防ぎやすくなります。
退去時の原状回復で気をつけたいこと
温水洗浄便座を自分で設置した場合、退去時にどう扱うかを事前に整理しておくことも大切です。
- 置き型・工事不要タイプは、退去時に取り外して次の住まいへ持っていける
- 給水管を分岐させたタイプは、退去時に元の状態(分岐前の状態)に戻す作業が必要になることがある
- 設置時に管理会社の承諾を得ていた場合でも、原状回復の範囲は事前に書面で確認しておくと退去時のトラブルを避けやすい
とくに、給水管や電源に手を加えた設置は、賃貸借契約上の原状回復義務と関わってくるため、設置前の確認と、退去時の対応方法をセットで考えておくことが重要です。判断に迷う場合は、設置前に管理会社へ直接相談し、承諾の内容を書面やメールなど記録に残る形で残しておくと安心です。
まとめ
ウォシュレット(温水洗浄便座)の有無は、キッチン設備や宅配ボックスに比べて物件情報に明記されにくい設備のひとつです。内見時にコンセントの有無や便座の形状を確認し、後付けを検討する場合は契約条項と原状回復の範囲を事前に整理しておくことで、入居後の「思っていたのと違う」というギャップや、退去時の思わぬ費用負担を避けやすくなります。物件探しの段階から、家賃や間取りと並ぶチェック項目として設備欄を確認する習慣をつけておくとよいでしょう。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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