注文住宅の資金計画でつなぎ融資が必要になる理由
仙台市内で土地を購入し、注文住宅を建てるプロセスには、建売住宅やマンションにはない複数回の支払いタイミングが存在します。建物が完成するまでの間に、土地代金の決済・着工金・上棟時の中間金と、大きな出費が段階的に発生するためです。
住宅ローンの多くは、建物が完成して引き渡しと同時に抵当権を設定した段階で一括実行される仕組みになっています。つまり、土地代金や着工金が必要な時点では、まだ住宅ローンを使えないのです。この「本融資が実行されるまでの空白期間」を埋めるために利用するのがつなぎ融資です。
自己資金が十分あれば必要ありませんが、土地代金と着工金をすべて手元資金でまかなうのは、ほとんどの家庭にとって負担が大きく、つなぎ融資を活用するケースが多く見られます。
仙台での注文住宅で発生する主な支払いタイミング
注文住宅の資金計画を立てるには、まず支払いが何回発生し、いつ・いくら必要なのかを正確に把握することが出発点です。一般的な流れは以下のとおりです。
- 土地代金の決済 — 売買契約後、指定の期日に残代金を一括決済する。最もまとまった金額が動くタイミング。
- 着工金の支払い — 住宅メーカーや工務店との請負契約に基づき、工事着工時に支払う。総工事費の3割前後が目安になることが多い。
- 上棟時の中間金の支払い — 建物の骨組みが完成した上棟のタイミングで支払う。総工事費の3割前後が目安。
- 完成時の残代金の支払い — 建物引き渡し時に残りを支払い、このタイミングで住宅ローンが実行される。
青葉区・泉区・太白区といった仙台市内の人気エリアで分譲地を確保したあと、ハウスメーカーとの打ち合わせを進める流れでは、土地決済と着工のタイミングが数カ月以上ずれることも珍しくありません。その間、つなぎ融資が資金繰りの要になります。
つなぎ融資の金利と諸費用の考え方
つなぎ融資は本融資である住宅ローンと比べると、金利が高めに設定されます。担保設定が簡略化されること、融資期間が短期に限られることなどがその理由です。
金利以外にも注意すべき費用があります。
- 融資事務手数料 — 融資実行のたびに発生することがある。土地決済・着工金・中間金と3回に分けて借り入れる場合、手数料も複数回かかる可能性がある。
- 印紙代 — 金銭消費貸借契約書に貼付する印紙。借入金額に応じて異なる。
- 利息 — 元本は住宅ローン実行時に一括返済するのが基本だが、利息だけ毎月支払う形が多い。工期が延びると利息負担も増える。
資金計画を比較するときは、つなぎ融資の金利と諸費用を含めたトータルコストで考えることが重要です。住宅ローンの金利だけで比較すると、実際の支出との差が生じます。
分割実行型住宅ローンという選択肢
金融機関によっては、つなぎ融資を別途組まずに済む分割実行型の住宅ローンを扱っているところがあります。住宅ローン自体を土地決済時・着工時・完成時などに分けて実行する仕組みで、つなぎ融資の金利や手数料をそのまま節約できるメリットがあります。
ただし、この仕組みを提供している金融機関は限られており、審査条件や対応できる建築スケジュールの範囲も機関ごとに異なります。土地探しの段階から複数の金融機関を比較し、分割実行型の取り扱いがあるかどうかを早期に確認しておくことが、選択肢を広げるうえで有効です。
フラット35を使う場合に確認すべきこと
フラット35を利用する場合は、つなぎ融資との関係に特に注意が必要です。フラット35は建物完成後の一括実行が原則のため、土地代金・着工金・中間金の支払いには、別途つなぎ融資を調達しなければなりません。
フラット35の取り扱い金融機関の中には、自行でつなぎ融資を提供しているところと、そうでないところがあります。フラット35の事前審査と同時に、つなぎ融資の取り扱いがあるかどうかを確認しないと、後から資金調達先を探し直す手間が生じます。事前審査の申し込み段階でセットで確認するのが確実です。
計画を進めるうえで押さえておきたいポイント
つなぎ融資を含めた注文住宅の資金計画を安全に進めるには、以下の点を意識しておくことが重要です。
- 支払いスケジュールを書面で確認する — 請負契約書に記載された着工金・中間金・残代金の金額と支払期日を正確に把握してから金融機関に相談する。
- つなぎ融資の審査は住宅ローン審査とは別に行われることがある — 住宅ローンの事前審査が通っていても、つなぎ融資の手続きに時間がかかる場合があるため、余裕をもってスケジュールを組む。
- 工期の遅れに備える — 工事が長引くとつなぎ融資の返済期間が延びて利息負担が増えるため、ハウスメーカー・工務店と工期の見通しをこまめに確認しておく。
- 金融機関へ早めに相談する — 土地探しの段階から住宅ローンとつなぎ融資の両方を扱える金融機関に接触しておくと、決済のタイミングで慌てずに手続きを進めやすい。
- 費用の総額で比較する — つなぎ融資の金利・手数料・利息を含めたトータルコストと、分割実行型住宅ローンの費用を並べて比較することで、実態に即した選択ができる。
仙台市内で注文住宅を検討している方は、土地の目処がついた段階で住宅メーカーの担当者と資金計画を一緒に整理し、金融機関への相談を早期に始めることをおすすめします。つなぎ融資は使いこなすことで注文住宅の資金繰りをスムーズにする手段ですが、コスト面も含めて選択肢を比較したうえで判断することが、長期的な家計の安定につながります。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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