「借りたくても借りられない」問題
仙台市内でも、障がいのある方・高齢単身者・精神疾患のある方が賃貸物件を探す際に困難を感じるケースが少なくありません。「申し込んでも断られる」「保証人が立てられない」「管理会社が敬遠する」という現実があります。
しかし、こうした状況を改善するための法制度や支援制度が年々整備されてきており、仙台市でも活用できる仕組みがあります。この記事では、入居困難を感じている方が選択肢を広げるための方法を整理します。
なぜ入居審査で断られやすいのか
家主・管理会社側の不安
家主・管理会社が懸念するのは主に以下の点です。
- 家賃支払いの安定性:収入の種類(年金・障害年金・生活保護)に対する不安
- 緊急時の対応:体調急変時や孤独死リスクへの心配
- 保証人の確保:連帯保証人や緊急連絡先の準備が難しい場合がある
- 周囲とのトラブル:コミュニケーションの問題を心配する家主がいる
こうした不安は、多くの場合、適切なサポート体制と情報提供によって解消できます。
入居審査を通りやすくするための準備
収入・支払い能力の証明
障害年金・生活保護・就労移行支援での工賃など、定期的な収入がある場合は証明書(受給証明書・通帳コピー等)を用意します。たとえ収入が低くても、支払いが安定していることを示すことが重要です。
支援者・支援機関の関与を明示する
精神科・心療内科の主治医がいる場合は、支援関係者(支援員・ケアマネジャー・相談支援専門員)が関与していることを伝え、緊急時の連絡先として明記することで家主の不安が軽減されます。
グループホーム・サービス付き高齢者向け住宅の検討
一般賃貸での入居が難しい場合は、障がい者グループホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も選択肢です。食事・生活支援が提供されるため、家主側のリスクが低く、入居ハードルが下がります。
住宅セーフティネット制度の活用
2017年に施行された「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律(住宅セーフティネット法)」では、住宅確保が難しい方(高齢者・障がい者・低所得者・外国人など)を支援するための仕組みが整備されています。
セーフティネット住宅
一般の民間賃貸物件の家主が「セーフティネット住宅」として登録することで、住宅確保要配慮者の入居受け入れを表明できます。仙台市内でも登録住宅があり、「セーフティネット住宅情報提供システム」(国のウェブサイト)で検索できます。
家賃低廉化補助
低所得の住宅確保要配慮者が入居する場合、オーナーへの家賃差額補助(最大月額4万円)が設けられています。これにより家賃相場より低い家賃で入居でき、家主には補助金で収入が確保されます。
居住支援協議会・居住支援法人
仙台市では「居住支援協議会」が設置されており、入居に困難を感じている方と受け入れ意向のある家主をマッチングする支援が行われています。
宮城県・仙台市の居住支援窓口(参考)
- 仙台市住宅政策課(022-214-8359)
- 宮城県居住支援協議会(宮城県建築宅地課)
生活保護受給者の賃貸入居
生活保護を受給している場合、家賃は「住宅扶助」として給付されます。仙台市の住宅扶助上限額(2026年時点)は単身者で約3万6,000〜4万3,000円程度(地域・世帯構成によって異なります)。この範囲内の物件であれば家賃支払いが保証されるため、受け入れる家主もいます。
生活保護受給者の場合は、ケースワーカー(福祉事務所の担当者)が入居支援に関与できる場合があります。仙台市の各区役所の生活保護担当窓口にご相談ください。
精神疾患・発達障がいのある方向けの支援
相談支援事業所・就労移行支援事業所
精神科への通院歴がある方や発達障がいのある方が住まいを探す際は、相談支援事業所や就労移行支援事業所のスタッフが同行・サポートするケースがあります。
自立援助ホーム・生活訓練施設
居宅での生活が難しい段階の方には、精神科病院退院後に生活訓練ができる施設(グループホーム・自立援助ホーム等)を経由して、一般賃貸への移行を段階的に目指す方法もあります。
心のバリアフリー:家主への啓発
「精神疾患があるから断る」は、合理的理由のない差別にあたる可能性があります。障害者差別解消法(2016年施行、2021年改正で民間事業者にも義務化)では、正当な理由なく障がいを理由に不利益な取扱いをすることが禁止されています。
入居拒否が理由もなく行われたと感じた場合は、仙台市の相談窓口や法テラスへの相談も選択肢です。
オーナー側も「受け入れ表明」で差別化できる
住宅確保要配慮者の入居を積極的に受け入れるオーナーは、セーフティネット住宅登録・補助金の活用によって空室対策にもなります。支援法人との連携を取ることで、入居後のトラブルも適切に対処できる体制が整います。
社会的意義と収益性の両立を目指すオーナーにとって、こうした取り組みは差別化ポイントにもなりえます。
まとめ
住まいは生活の基盤であり、誰もが安心して暮らせる環境を確保することは社会全体の課題です。仙台市でも住宅セーフティネット制度・居住支援協議会・補助金等の仕組みが整いつつあります。
入居困難を感じている方は一人で抱え込まず、支援機関や相談窓口を積極的に活用してください。エムアセッツでは、住宅確保要配慮者の方の入居相談にも丁寧に対応します。お気軽にお問い合わせください。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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