ツインタワー計画は2026年、組合設立に向けた法定手続きの段階へ
仙台市青葉区一番町三丁目7番地区で進められてきたツインタワー再開発計画は、2020年代前半の構想段階を経て、2023〜2025年にかけて再開発準備組合の活動が本格化しました。2026年時点では、再開発組合の設立・都市計画決定・事業認可といった法定手続きを進める段階にあり、仙台都心の次の10年間のランドマークとして計画の具体像が固まりつつあります。ただし、建築費の高騰を背景に組合設立のスケジュールは当初予定より後ろ倒しが報じられており、全体の進捗には不確実性が残ります。
既存の再開発関連記事(不動産コラム一覧)とは別に、本記事では北街区・南街区の街区別用途構成、階数、公表計画ベースの機能、2026年時点の進捗実態に踏み込んで詳細をまとめます。なお、用途・延床などの計画値は確定情報を優先し、確定していない部分(階層配分の内訳や竣工時期)はその旨を明示します。仙台都心部でオフィス移転・テナント入居・投資用物件取得を検討している方向けの実務情報として整理します。
プロジェクト概要——北街区24階・南街区35階の「非対称ツインタワー」
一番町三丁目7番地区再開発は、一番町アーケード(サンモール一番町)の南端、藤崎百貨店から徒歩3分の一等地で進行しています。敷地は広瀬通と定禅寺通を結ぶエリアを北街区と南街区の2街区に分け、それぞれに超高層ビルを建設する構成です。
北街区は地上24階・高さ約135mの複合ビルで、延べ床面積は公表計画ベースで約5.4万平米とされ、オフィス・商業・ホテル・駐車場等の用途が計画されています。規模としては仙台駅前のAERビルに準じる水準で、中高層オフィス需要と商業・ホテル需要を組み合わせる構成です。
南街区は地上35階・高さ約180mの超高層複合ビルで、延べ床面積は公表計画ベースで約11.8万平米とされ、業務(オフィス)を主体に商業・ホール等を組み込む大規模複合施設です。完成すれば仙台市内で最も高い建築物の一つとなり、仙台都心のスカイラインを一変させるランドマークとなります。南街区の規模はトラストタワー・仙台AERを上回る水準で、都心部での希少性が極めて高いプロジェクトです。
「ツインタワー」という呼称ながら、2棟の階数・規模が対称ではない「非対称ツインタワー」となる点が、本計画の設計上の特徴です。これは北街区・南街区それぞれの地権者構成・敷地形状・動線計画を反映した結果であり、一般的な同規模対称型ツインタワー(大阪の梅北、東京の虎ノ門ヒルズ等)とは異なるデザインアプローチが採用されます。
北街区の想定用途構成——「商業+オフィス+ホテル」型
北街区24階建(延床約5.4万平米)は、公表計画でオフィス・商業・ホテル・駐車場等の用途とされています。各機能の階層配分の具体的な内訳は確定情報ではありませんが、類似案件の傾向から、おおむね以下のようなイメージが想定されます(数値は目安)。
- 低層階: 商業テナント——アーケード導線と接続する駅前型商業フロア
- 中層階: オフィスフロア——中〜大規模テナント向けの定禅寺通側眺望オフィス
- 高層階: ホテル・宿泊機能——宿泊特化型を中心とした客室フロア
仙台都心部の一番町エリアは、藤崎・三越・パルコ・アーケード商業の集積地として確立されていますが、オフィス供給は相対的に不足しており、築浅大型オフィスの新規供給が不足気味です。北街区のオフィスフロアは、この需給ギャップを埋める需要が見込まれ、竣工前から有力テナントとのプレリーシングが進む可能性が高い構成です。なお、同じ錦町エリアでは弊社が所有するテナント募集 レヴール仙台錦町でもテナント区画の募集を行っており、ツインタワー竣工前の都心テナント入居を検討する企業にとって選択肢の一つとなります。
ホテル部分については、仙台駅周辺のホテル稼働率上昇と、定禅寺通・国分町へのアクセス性を考慮すると、ビジネスユースとインバウンド需要の双方を取り込める立地ポテンシャルがあります。
南街区の用途構成——「業務(オフィス)主体+商業・ホール」型
南街区35階建(延床約11.8万平米)は、規模と高さを活かしたランドマーク型複合ビルですが、公表されている計画用途は業務(オフィス)を主体に、低層部へ商業・ホール機能を組み込む構成です。一部で話題になりがちな分譲マンション(住宅)は、公表計画には含まれていません。各機能の階層配分の内訳は確定情報ではありませんが、おおむね以下のイメージが想定されます(数値は目安)。
- 低層部: 商業・ホール機能——旗艦商業施設+多目的ホール。アーケード商業集積と連続する賑わいの核
- 中〜高層部: 大規模オフィスフロア——大手企業の本社・支社向け、定禅寺通側の眺望を活かした大型オフィス
南街区の最大の特徴は、仙台都心では希少な大規模ホールと大型オフィスを一体で供給する点にあります。一番町エリアは藤崎・三越・パルコ・アーケード商業の集積地として確立されている一方で、築浅大型オフィスの供給は相対的に不足しており、南街区のオフィスフロアはこの需給ギャップを埋める役割が期待されます。ホール機能は、コンサート・コンベンション需要の都心回帰を促し、周辺の飲食・宿泊にも波及効果をもたらし得ます。
なお、南街区には別途アネックス棟も計画されており、街区全体として複数の建物で構成される点も特徴です。
2026年時点の進捗実態: 一番町三丁目7番地区再開発は、再開発組合の設立・都市計画決定・事業認可といった法定手続きを進める段階にあります。ただし、2024年末時点の報道では、建築費(資材高・人件費)の高騰を背景に、当初予定していた組合設立が少なくとも1年程度後ろ倒しになる見通しとされ、その後の着工・竣工時期にも不確実性が残ります。
このため、本記事では具体的な竣工年を断定しません。当初は北街区で2026年度の着工・2020年代後半の竣工を目指す構想も伝えられていましたが、建築費環境の影響でスケジュールは流動的で、時期は未確定と捉えるのが現実的です。建築費高騰による再開発の遅延は仙台都心部のプロジェクト全体に共通する傾向であり、確定情報の更新を待つ姿勢が重要です。
周辺賃貸市場への波及——国分町・錦町・花京院エリアへの影響
ツインタワー竣工後(時期は未確定)、周辺賃貸市場には主に3方向の影響が波及すると予測されます。第1に、北街区・南街区に入居するオフィス勤務者・ホテル従業員、とりわけ若手〜中堅社員が徒歩圏の1LDK・2LDK賃貸に流入し、錦町・花京院・片平エリアの築浅1LDK物件(家賃8〜11万円帯)で家賃上昇が見込まれます。第2に、大型オフィス・ホールの稼働に伴い、企業の出向者・プロジェクト常駐者やイベント関係者など、中期滞在層の高級賃貸需要が、国分町・本町エリアの2LDK・3LDK物件(家賃15万〜25万円帯)で一時的に増える局面が想定されます。第3に、ツインタワー竣工は周辺築古ビル・マンションの建替えインセンティブを高め、一番町アーケード周辺の築40年超物件が建替え・売却の検討を具体化させる可能性が高く、投資家にとっては築古ビルの底地取得チャンスが広がる局面になります。
まとめ——仙台都心の「2030年代ランドマーク」を見据えて
一番町三丁目ツインタワー再開発は、2026年時点で再開発組合設立・都市計画決定などの法定手続きを進める段階にあり、仙台都心の構造を大きく変える2030年代最大級のプロジェクトです。北街区の商業+オフィス+ホテル構成、南街区の業務(オフィス)主体+商業・ホール構成は、仙台都心部に大型オフィスとホールという新たな機能をもたらします。ただし、建築費高騰を背景にスケジュールは流動的で、竣工時期は現時点で未確定です。
投資家・テナント・居住希望者の視点では、確定情報の更新を追いながら「計画具体化期」に周辺不動産の判断を行うのが合理的です。竣工後には相場に織り込まれた価格帯になるため早めの情報収集が有効である一方、竣工時期が後ろ倒しになり得る点も織り込み、過度に先回りしすぎないバランスが重要です。
弊社エムアセッツでは、仙台都心部・青葉区中心エリアの所有物件一覧はこちらから賃貸物件の情報を随時更新しています。ツインタワー再開発を踏まえた中長期的な物件戦略については、お問い合わせはこちら。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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