「おとり物件」とは何か
賃貸物件を探しているとき、ポータルサイトや不動産会社の広告で「条件が良すぎる物件」を見かけることがあります。問い合わせると「その物件は今ちょうど申込みが入ってしまいました」「ご紹介できなくなりました」と言われ、代わりに別の物件を勧められる……。これが「おとり物件」のよくある手口です。
おとり物件とは、実際には存在しない・すでに契約済みの物件を、顧客を引き寄せるために広告に掲載し続ける違法・不当な営業手法です。宅地建物取引業法や不動産広告の公正競争規約に違反する行為です。
おとり物件が使われる背景
不動産会社(主に仲介会社)にとって、集客は重要な課題です。魅力的な条件の物件を広告に掲載すれば問い合わせが増え、来店につながります。顧客が来店した後は「おとり物件」は使えませんが、代わりに別の物件を紹介することで、仲介手数料を得ることができます。
「おとり物件」は意図的に行うケースと、情報更新が遅れて「うっかり」成約済み物件を掲載し続けるケースの両方があります。ただし、故意による場合は宅建業法違反となります。
おとり物件を見分ける5つのポイント
1. 相場より明らかに安い家賃・好条件
仙台の賃料相場と比べて、同エリア・同間取りで月額1〜2万円以上安い物件は注意が必要です。「駅徒歩3分・新築・礼金なし・ペット可・駐車場1台付き」など、通常ではあり得ない条件が重なっている場合は疑ってかかりましょう。
2. 写真がきれいすぎる・部屋と一致しない
おとり物件に使われる写真は、実際の物件と異なる「モデルルーム」的な写真が使われることがあります。部屋の間取りと写真の雰囲気が合わない、設備の年式が築年数と一致しないなどは注意サインです。
3. 問い合わせると「申込み済み」と言われる
問い合わせに対して「ちょうど今朝申込みが入りました」「いま確認中です」という回答が返ってきたら警戒が必要です。おとり物件の場合、この時点から別の物件へ誘導してきます。
4. 掲載から長期間経過している
ポータルサイトで物件の掲載開始日を確認できる場合、掲載開始から1〜2ヶ月以上経過しているにもかかわらず「空室」のままになっている物件は、おとり物件の可能性があります。人気のある物件は数日〜2週間程度で成約するのが一般的です。
5. 複数のサイトで掲載条件が異なる
SUUMO・アットホーム・ホームズ等の複数のポータルサイトで同じ物件を検索した際、掲載している仲介会社によって家賃・条件が異なる場合は要注意です。
おとり物件かどうかを確かめる方法
方法1:物件の詳細を電話で確認する
問い合わせの際、「今すぐ内見の予約を取りたい」「本当に空室ですか?」と具体的に確認します。おとり物件の場合、この段階で「ちょっと確認します」「他の方が見ているかもしれない」といった曖昧な回答が返ってくることが多いです。
方法2:レインズ(REINS)情報との照合
物件の成約状況はレインズ(不動産流通標準情報システム)で管理されています。消費者は直接レインズにアクセスできませんが、物件オーナーや別の仲介会社に問い合わせることで成約状況を確認できる場合があります。
方法3:オーナー・管理会社への直接確認
物件の管理会社が分かっている場合、直接問い合わせてみることで本当に空室かどうかを確認できます。
被害を受けた場合の相談窓口
おとり物件の被害に遭った・不当な広告があると感じた場合は、以下の窓口に相談できます。
宮城県宅地建物取引業協会
不動産会社によるトラブルを宅建協会に申告することができます。重大な違反の場合は行政(宮城県)による指導・処分につながります。
公益財団法人 不動産流通推進センター
不動産取引に関するトラブル相談を受け付けており、ADR(裁判外紛争解決手続き)のあっせんも対応しています。
宮城県消費生活センター(仙台市消費生活センター)
消費者としての権利侵害について相談できます。宅建業法違反の疑いがある場合は宮城県建築宅地課へ転送されます。
国土交通省(宅建業法違反の申告)
宅建業法違反に当たる行為については、国土交通省への申告も可能です。
信頼できる不動産会社を見分けるポイント
おとり物件を使わない誠実な会社を選ぶためのポイントです。
地域に根ざした会社を選ぶ:仙台に本拠を置き、長年地元で営業している会社は地域での評判・信頼を大切にしていることが多く、おとり物件のリスクは低い傾向があります。
宅建士の在籍確認:宅建士(宅地建物取引士)が常駐していることは信頼の最低限の指標です。
口コミ・評判を確認する:Googleマップのレビューや不動産一括査定サービスの口コミを参考にしましょう。
レスポンスの速さと丁寧さ:最初の問い合わせへの対応が丁寧で迅速な会社は、顧客対応への意識が高い傾向があります。
おとり物件に誘導された後の対処法
別の物件を強引に勧めてくる場合、「今日は決められない」「一度持ち帰って考えます」と断ることが大切です。その場の雰囲気に流されず、複数社に相談して物件を比較検討することを習慣にしましょう。
また、一度気に入った物件(おとり物件だったもの)と同等条件の物件を改めて「条件整理して別の会社でも探す」という姿勢を持つことが、より良い物件を見つける近道です。
まとめ
仙台の賃貸物件探しでは、おとり物件に惑わされないために「相場を知る・疑問を持つ・複数社に相談する」の3点が大切です。条件が良すぎると感じたら立ち止まり、実際に内見できるかどうかを確認することが最も効果的な自衛手段です。
エムアセッツでは実際の空室情報のみを掲載し、誠実な物件紹介を心がけています。仙台での物件探しに関して、ご不明な点はお気軽にご相談ください。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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