賃貸の共用設備とは?入居者の権利と義務
賃貸マンション・アパートには、専有部分(各住戸の部屋)と共用部分(入居者全員で使う設備・空間)があります。共用部分の主な例は次の通りです。
これらの共用設備の維持管理は、原則として管理会社・オーナーの責任です。入居者は共用設備を適切に使用する義務を持ちますが、設備の故障・老朽化・清掃不備などは入居者に修繕義務はありません。
しかし実際には「誰に連絡すればいいのかわからない」「修繕されるまでに時間がかかる」などの問題が生じることがあります。本記事では、共用設備別のトラブル事例とその対応手順を解説します。
エレベーターのトラブル対応
故障・停止
エレベーターが停止・故障した場合は、まずエレベーター内や扉付近に記載されている保守点検会社の緊急連絡先に電話します。多くの物件では24時間対応の保守会社との契約があり、緊急時は迅速な復旧対応が期待できます。
保守会社の連絡先が不明な場合は管理会社に連絡し、状況を報告します。管理会社が保守会社に連絡して手配する流れになります。
仙台市内の築古マンションの中には、エレベーターの保守点検契約が更新されていない物件や、修繕費用の問題で復旧が遅れるケースがあります。賃貸物件の場合、この費用はオーナー負担であるため、入居者はオーナー・管理会社に適切な対応を求める権利があります。
エレベーター内でのマナー違反・汚損
他の入居者によるエレベーター内の汚損(ゴミ・嘔吐物など)、タバコの吸い殻の持ち込みなどが発覚した場合は、管理会社に報告します。管理会社から清掃対応が行われるとともに、必要に応じて他の入居者へ注意喚起の文書が配布されます。
長期停止による不便
エレベーターの修繕工事や部品交換で長期間(数週間〜数ヶ月)停止する場合、高層階の入居者は特に不便を強いられます。この場合、管理会社に「工事期間・代替手段の有無・工事完了見込み」を確認し、著しく生活に支障が生じる場合は家賃減額交渉も選択肢のひとつです。借地借家法第611条(賃貸物の一部滅失等による賃料の減額等)に基づき、設備使用不能による賃料減額を求めることができます。
共用廊下・階段のトラブル対応
照明の故障
共用廊下や階段の電球・照明器具が切れている場合は、管理会社に速やかに報告します。安全上のリスク(夜間の転倒等)があるため、早急な対応が求められます。
報告してから対応が遅い場合は、メールや書面で記録を残しながら再度催促します。LED照明への交換工事が行われる場合、一時的に廊下が薄暗くなることがありますが、工事スケジュールを管理会社に確認しましょう。
共用廊下への私物放置
他の入居者が共用廊下に自転車・段ボール・家具などを置いている場合は、管理会社に通報します。直接入居者に注意するとトラブルになりやすいため、必ず管理会社を通じて対応してもらいます。
消防法上、共用廊下(避難経路)の物品放置は消防法違反となる可能性があり、管理会社は速やかな撤去指示の義務があります。
雪・氷による廊下の凍結
仙台の冬季は外廊下や外階段が凍結して滑りやすくなることがあります。共用廊下の凍結への対応(融雪剤散布・滑り止めマット設置など)は管理会社の責任です。凍結が原因で転倒・骨折などの事故が起きた場合、適切な維持管理をしていなかった管理会社・オーナーに対して損害賠償を請求できる場合があります。
凍結が予測される時期に管理会社が対応を怠っている場合は、事前に申し入れておくことが重要です。
駐輪場・バイク置き場のトラブル対応
自分のスペースに他人の自転車が置かれている
指定の自転車スペースに無断で他の人の自転車が駐輪されている場合は、管理会社に状況を報告します。管理会社が駐輪場に撤去依頼の張り紙をしたり、オーナーに確認を取るなどの対応をします。
長期放置の自転車・バイク
使用されていない廃棄自転車が駐輪場を占領しているケースでは、管理会社に撤去を求めます。撤去には所有者の特定・催告・一定期間の掲示が法的に必要なため、即日撤去できない場合があります。管理会社が定期的な点検・整理を怠っている場合は、対応スケジュールの提示を求めましょう。
バイク置き場のルール確認
仙台市内の賃貸物件では、バイクの保管に関するルールが物件ごとに異なります。「バイク可」と記載がない物件では敷地内でのバイク保管が禁止されていることがあります。バイクを所有している場合は、入居前に管理会社にバイク置き場の有無・費用を確認することが重要です。
ゴミ置き場・宅配ボックスのトラブル対応
ゴミ分別違反・収集されなかったゴミ
仙台市のゴミ収集は分別ルールが細かく、違反ゴミはシールを貼られて収集されないことがあります。ゴミ置き場に分別違反のゴミが放置されている場合は管理会社に連絡します。管理会社が入居者に注意文書を配布するとともに、悪質な場合は個別に注意します。
仙台市では各地域ごとに「ゴミ出しルール」が設定されており、管理会社が新入居者に案内することが多いですが、受け取っていない場合は入居時に確認しましょう。
宅配ボックスの故障・満杯
宅配ボックスが故障したり満杯で使えない場合は、管理会社に報告します。宅配ボックスは入居者に提供されている設備であるため、適切な維持管理はオーナー・管理会社の責任です。修繕が遅い場合は催促を記録に残しながら行います。
共用設備トラブル全般に共通する対応原則
記録を残す
トラブルの状況を写真・日時とともに記録します。後日「報告したのに対応されなかった」という証拠になります。
連絡先の順番は「管理会社→オーナー」
共用設備の問題は基本的に管理会社に連絡します。管理会社が対応しない場合はオーナーに直接連絡しますが、その前に管理会社に「いつまでに対応するか」を書面で確認するステップを挟むことが重要です。
緊急性がある場合は消防・警察への連絡も検討
エレベーターに人が閉じ込められた・廊下に不審者がいる・ゴミ置き場で火災が発生したなど、緊急事態の場合は管理会社への連絡より先に119番・110番に連絡します。
まとめ:共用設備は管理会社に報告・記録が基本
仙台の賃貸マンション・アパートで共用設備トラブルが発生した際は、管理会社への速やかな報告が第一歩です。連絡内容を記録に残し、対応が遅い場合は書面やメールで催促することが重要です。
入居前には「共用設備の管理体制が整っているか(保守業者との契約有無・定期清掃の頻度など)」を確認しておくと、入居後のトラブルを予防できます。
エムアセッツでは、管理物件の共用設備維持に力を入れており、入居者から寄せられた問い合わせには迅速に対応しています。物件選びや入居後の管理体制についてご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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