原状回復の基本原則——国交省ガイドラインを確認しよう
賃貸物件の退去時に発生する「原状回復費用」は、すべての賃貸物件に共通するルールのもとで扱われます。国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、退去時に借主が負担すべき費用と貸主(管理会社)が負担すべき費用の考え方が示されています。
このガイドラインでは、「通常の使用による経年劣化・自然損耗」は原則として借主負担にならないとされています。たとえば、日焼けによる壁紙の変色・カーペットの踏み跡・冷蔵庫後ろの黒ずみなどは通常使用の範囲として貸主側が負担するとされています。一方、借主の故意・過失による傷・汚れ・破損は借主負担となります。
大東建託グループが管理する物件(DK SELECT物件を含む)も、この国交省ガイドラインを基本とした原状回復費用の考え方が適用されます。ただし契約書の特約条項によって借主負担の範囲が変わる場合があるため、入居時に契約書の特約内容を必ず確認することが重要です。
退去立会いと費用算定の一般的な流れ
大東建託グループが管理する物件では、退去時にグループ管理会社の担当者が立会い検査を行い、原状回復費用を算定するのが一般的な流れです。
退去の大まかな手順は以下のとおりです。
- 退去通知——契約に定められた期間(多くの場合1〜2ヶ月前)までに管理会社へ解約通知を提出する
- 立会い日程の調整——管理会社と退去立会いの日時を調整する
- 立会い検査——退去立会い時に室内の傷・汚れ・設備の状態を双方で確認する
- 費用見積もり——管理会社から原状回復費用の見積書が発行される
- 費用精算——敷金がある場合は敷金との相殺が行われ、不足分は追加請求となる
立会いの際には、入居時に作成した「入居確認書(チェックシート)」と現状を比較することが重要です。入居前から存在した傷・汚れを退去時の損傷として請求されるトラブルを防ぐために、入居時の状態を写真や書面で記録しておくことが後のトラブル防止につながります。
よくある退去費用の内訳(一般的な傾向として)
大東建託管理物件に限らず、賃貸全般でよくある退去費用の内訳を整理します。金額は物件の広さ・築年数・損傷状況・エリアによって大きく異なるため、以下はあくまでも傾向の参考としてご覧ください。
| 費用項目 | 借主負担になりやすいケース |
|---|---|
| ハウスクリーニング費用 | 通常の清掃を超える汚れ(喫煙・ペット・カビ等が著しい場合) |
| クロス(壁紙)張替え | 借主の故意・過失による穴・落書き・大きな傷 |
| フローリング補修 | 引きずり傷・水漏れによる変形(通常の踏み跡は対象外) |
| 設備修繕・交換 | 借主の不適切使用による故障・破損 |
| エアコンクリーニング | 喫煙部屋や油汚れが著しい場合(通常使用は対象外のことが多い) |
借主の過失がない項目についても費用を請求されるケースが実際には起こり得ます。見積書の内容に疑問がある場合は、国交省ガイドライン(国土交通省公式サイトで全文閲覧可能)を参照しながら管理会社に確認することが有効です。
退去費用トラブルを防ぐための入居中の対策
大東建託に限らず、退去費用トラブルを未然に防ぐために入居中から実践できることがあります。
入居時にやること
- 入居前の室内状態(傷・汚れ・設備の不具合)を写真・動画で記録する
- 入居確認チェックシートに気になる箇所を全て記載し、管理会社に送付したうえで自分でも保管する
- 補修の必要がある箇所は入居時に管理会社へ速やかに報告しておく
入居中にやること
- 結露・水回りのカビは早めに対処して拡大を防ぐ
- 室内での喫煙は壁紙・設備への付着で退去費用が大幅に増加するリスクがある
- 設備の故障・不具合は速やかに管理会社へ報告し、自己判断での修繕は原則避ける
- 大きな家具・家電の移動時は床・壁への傷つきに注意する
費用に異議がある場合の対処法
退去費用の見積書が届いた後、内容に疑問・納得できない点がある場合は以下の対応が選択肢になります。
まず管理会社への確認と交渉として、見積書の項目について国交省ガイドラインと照らし合わせて具体的な根拠を示しながら質問・交渉する方法があります。書面やメールで記録を残しながら進めることが有効です。
それでも解決しない場合は消費生活センターへの相談が可能です。退去費用のトラブルは消費生活センター(国民生活センター)への相談実績が多く、無料で相談できます。
金額が小さく訴訟を提起するほどではない場合は、泣き寝入りせずに相談窓口を利用することが現実的な対処策です。
仙台エリアでの賃貸退去に関してご不明な点があれば、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
契約書の特約条項を入居前に必ず確認する
退去費用に関するトラブルの多くは、入居前の契約書確認が不十分だったことに端を発しています。特に「特約条項」には通常の原状回復ルールを超えた借主負担(全室クリーニング費用の借主負担・クロス全交換の借主負担など)が記載されている場合があります。消費者契約法上の観点から一部の特約が無効とされるケースもありますが、内容を理解した上でサインすることが入居後のトラブルを減らす第一歩です。不明な点は仲介担当者や管理会社に遠慮なく質問しましょう。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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