住居確保給付金とは何か
住居確保給付金は、離職や収入減少によって家賃の支払いが困難になった方が住まいを失わないよう、国が家賃相当額を一定期間支給する制度です。生活困窮者自立支援法に基づく制度で、仙台市では「仙台市生活自立支援センター(仙台市社会福祉事務所)」が窓口となっています。
2020年のコロナ禍以降、制度の対象が大幅に拡大され、離職者だけでなく「休業・廃業により収入が著しく減少した方」も対象に加わりました。失業手当(雇用保険の基本手当)を受給している間でも申請できる場合があり、住まいの危機を防ぐための最初のセーフティネットとして機能しています。
支給対象者の要件
住居確保給付金を受給するには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
収入要件
申請者と世帯員の収入の合計が、市区町村の定める「基準額」以下であること。仙台市(宮城県)の基準額は世帯人数によって異なります。
| 世帯人数 | 基準月収(目安) |
|---|---|
| 1人 | 約138,000円 |
| 2人 | 約194,000円 |
| 3人 | 約241,000円 |
| 4人 | 約289,000円 |
※ 上記は自治体の定める基準を元にした目安です。最新の基準は仙台市の窓口でご確認ください。
資産要件
申請者と世帯員の預貯金等の合計が、「基準額の6ヶ月分」以下であること(単身世帯の場合は約50万円以下が目安)。
住居要件
現在賃貸住宅に居住しており、家賃を支払っている状態(または退去を余儀なくされている状態)であること。持ち家の方は対象外です。
就労意欲要件
原則として、就職活動を継続して行う意欲があること(求職活動の実施状況を定期報告する必要があります)。
支給額と支給期間
支給額
家賃の実費相当額が支給されますが、上限額が定められています。仙台市(宮城県)の上限は以下のとおりです。
| 世帯人数 | 家賃支給上限額(月額) |
|---|---|
| 1人 | 30,000円 |
| 2人 | 38,000円 |
| 3人以上 | 43,000円 |
実際の家賃が上限を超える場合は、上限額が支給されます。家賃が上限以下の場合は、実費全額が支給されます。
支給期間
初回の支給期間は原則3ヶ月。就職活動の状況に応じて、最長12ヶ月まで延長が可能です(3ヶ月ごとに延長審査あり)。
仙台市での申請手続きの流れ
ステップ1:相談窓口へ行く
仙台市では「仙台市生活自立支援センター(ほっとあんしんサポートセンター)」が申請窓口です。直接窓口を訪問するか、電話で事前相談を行います。
窓口情報:
ステップ2:申請書類を準備する
主な必要書類は以下のとおりです。
- 離職・廃業を証明する書類(離職票、廃業届の控えなど)
- 住民票(世帯全員分)
- 収入状況を確認できる書類(給与明細・確定申告書など直近3ヶ月分)
- 通帳のコピー(直近2ヶ月分)
- 賃貸借契約書(家賃額・賃貸人の口座情報)
- 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
ステップ3:審査・決定
申請書類提出後、仙台市が審査を行い、受給決定通知書が届きます。支給は申請者の口座に振り込まれるのではなく、大家(オーナー)や管理会社の口座に直接振り込まれるのが原則です。
ステップ4:就労支援活動と定期報告
受給中は月1回程度の支援面談または求職活動報告が求められます。ハローワークへの登録・求職活動の継続も必要です。
よくある疑問と注意点
雇用保険(失業手当)と同時に受給できますか?
失業手当と住居確保給付金は、原則として同時受給ができません。失業手当を受給中の場合は対象外となりますが、失業手当の受給が終了した後に申請することは可能です。
家賃の一部しかカバーできない場合はどうする?
上限額を超える家賃の差額は入居者が自己負担します。例えば仙台市で月額家賃55,000円(単身)の場合、上限30,000円を超える25,000円は自己負担です。給付金と並行して、生活費の見直しや引越しの検討も選択肢に入れてください。
フリーランス・個人事業主は対象になりますか?
収入の著しい減少(対前年比で概ね50%以上減少など)が認められる場合は、フリーランス・個人事業主も対象になります。廃業届の提出は必須ではなく、収入証明書類で審査されます。
申請から支給まで何日かかりますか?
申請書類が整ってから支給決定まで概ね2〜4週間かかります。支給開始まで家賃の支払いが難しい場合は、早めに管理会社・大家へ状況を伝え、支払い猶予の相談をしておくことが重要です。
住居確保給付金以外に活用できる仙台市の制度
住居確保給付金と合わせて検討できる公的支援制度も紹介します。
- 緊急小口資金・総合支援資金(社会福祉協議会):低利・無利子の貸付
- 生活保護制度:給付金要件を満たさない場合の最後のセーフティネット
- 仙台市社会福祉協議会 生活福祉資金貸付:低所得者向けの特別貸付
- UR賃貸住宅への入居:保証人不要・礼金なし、収入が一定基準以下の方に入居可能
まとめ
仙台市で離職や収入減少による家賃の支払いが困難になった場合、住居確保給付金は住まいを守るための重要な制度です。要件を満たせば最長12ヶ月間、家賃相当額の支給を受けられます。申請に必要な書類を事前に整理し、早めに仙台市生活自立支援センターへ相談することが肝心です。支払い困難が深刻になる前に、制度を正しく理解して活用しましょう。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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