「住み始めてから上の階の足音がうるさくて後悔した」——賃貸物件のトラブルランキングで常に上位に入るのが騒音問題です。ところが、内見時にしっかり防音性をチェックしている人は意外と少ない。多くの方が日当たり・収納・駅距離は気にするのに、防音だけは「住んでみないと分からない」と諦めてしまっています。実は、内見の30分でかなりの精度で防音性能を見抜くことが可能です。本記事では、当社が仙台市内で賃貸物件を所有・管理してきた中で蓄積した、現場で使える防音性チェックリスト15項目を解説します。
構造を見抜く——5つのチェックポイント
防音性能の8割は構造で決まります。間取り図や物件資料に書かれた「鉄骨造」「RC造」だけでは判断できないので、現場で構造を見抜く目を持ちましょう。
1. 物件資料の「構造」欄と築年数の組み合わせ
「重量鉄骨造(S造)」「RC造(鉄筋コンクリート)」「SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート)」が出ていれば防音性は高水準。「軽量鉄骨」「木造」は要慎重。築年数も重要で、2000年以降の建築物は「次世代省エネ基準」「シックハウス法」の影響で気密性が高く、副次的に防音性能も上がっています。
2. 外壁の厚みと素材
廊下側・バルコニー側の外壁を間近で観察してください。ALC(軽量気泡コンクリート)パネル100mm以上、サイディング20mm超+下地構造などが防音性の指標です。薄い金属サイネージ+断熱材だけの軽量鉄骨アパートは、外部音の侵入が多くなります。
3. 共用廊下の床材と足音
内見の往復で、共用廊下をわざと普通の歩幅で歩いてみてください。コンクリート直貼りや厚手の長尺シートは静かですが、薄い塩ビタイル直貼りや金属グレーチングは足音が響きます。共用廊下の音響は自室への足音侵入の予兆です。
4. 玄関ドアの密閉感
玄関ドアを内側から閉めて、外の音がどれだけ聞こえるかを確認。重量感のあるドア(パッキンが3辺以上に入っている、閉めた時にスッと吸い込まれる感じ)は防音性が高い。スカスカのアルミドアは外部音が筒抜けになります。
5. 玄関土間と廊下の段差
玄関ドアからリビングまでの構造に注目。廊下経由でリビングに入る間取りは、玄関からの音が廊下で減衰してリビングに届きにくい。一方、玄関ドアを開けるとすぐリビングというワンルーム的な間取りは、外部音がダイレクトに居室に入ります。
床・壁・天井——6つのチェックポイント
6. 床を踵で踏みしめる
居室の床を、踵に体重をかけてゆっくり踏み込んでみてください。フローリング下に十分な制震材が入っていれば「コトン」という鈍い音、不十分だと「コンッ」と響く高い音。さらに床鳴り(ギシギシ音)が出る物件は床下の構造がゆるく、上階への音漏れも多い傾向。
7. 上階の足音テスト(時間帯を選ぶ)
可能であれば夕方〜夜の内見を選び、上階の生活音が聞こえるかを確認。在宅率の高い時間帯であれば、上階居住者の足音・椅子の移動音が漏れ聞こえれば防音性は不十分。日中の静かな時間帯だと判断材料が得られません。
8. 隣戸との境界壁を叩く
隣戸との境界壁(共用壁)をコンコンと拳で軽く叩く。詰まった音(鈍い音)なら石膏ボード2枚重ね+断熱材入りの重い構造、軽い音(中空感のある音)ならボード1枚+空隙の薄い構造。後者は隣戸の話し声が筒抜けです。
9. 天井の高さと素材
天井高2.4m以上で、かつ天井裏に懐(空間)がある構造は、上階の音が天井裏で減衰します。直天井(コンクリートスラブにそのままクロス)の場合、上階の足音が直接響くことがあります。
10. 押入れ・クローゼットの背面壁
クローゼットや押入れの内壁を叩くと、構造が分かりやすい。隣戸との境界が押入れ越しの物件は、本来の境界壁+押入れの空気層で防音性が高い。一方、寝室の枕が隣戸境界壁に直接接する間取りは、隣戸の生活音が枕元に響くリスクが高い。
11. 共用配管の音
トイレ・浴室・キッチンを使った時の配管音を確認。共用排水管が壁内を通っている物件は、上階の水使用音(特にトイレ・洗濯機排水)が低周波で響くことがあります。配管点検口があれば中を覗いて、防音材が巻かれているかも確認できます。
サッシ・窓・換気——4つのチェックポイント
外部からの騒音侵入経路の8割は窓まわりです。
12. サッシのグレード
サッシ枠に小さく刻印されているT-1〜T-4の遮音等級を確認。T-1は一般的、T-2以上が防音グレード、T-3は鉄道沿線などで採用される高遮音タイプです。ペアガラス(複層ガラス)でも、内部空気層の厚みで遮音性は変わります。12mm以上の空気層がある複層が望ましい。
13. シャイド55などの防音システム
積水ハウスのシャーメゾンには「[シャイド55](/column/2026-02-27-sh-mezon-no-b-on-sein-wa-dono-reberu-shaido-55-sh-shaon-shisutemu-no-jissoku-db)」という独自の防音システムが採用された物件があります。これは床衝撃音遮断性能の値(数値が小さいほど防音性が高い)でΔLL-5等級を実現する仕様で、上階の足音が大幅に軽減されます。物件資料に記載がない場合でも、「シャイド対応物件か」を仲介担当者に確認する価値があります。仙台市内のシャーメゾン物件の特徴はシャーメゾン特集でも紹介しています。
14. 窓を閉めた状態と開けた状態の音比較
内見時に窓を一度全開にして外の音を確認し、次に完全に閉めた状態で同じ姿勢で再度確認。両者の差が大きければ防音性能の高いサッシ。差が小さい(閉めても外音が侵入する)場合はサッシ性能が不十分です。
15. 換気口・給気口の遮音対策
24時間換気の給気口は騒音侵入の意外な穴です。フィルター付き給気口や、消音ボックス内蔵タイプであれば防音性が高い。単なる丸い穴の壁付き給気口は、外部音がそのまま侵入してきます。
周辺環境のチェック——番外編
物件の防音性能が完璧でも、周辺の音源は構造で防げません。
- 線路沿い・幹線道路沿い:日中だけ内見すると気付かないことがあるので、夜間・早朝にもう一度現地を訪問するのが鉄則。
- 学校・保育園隣接:日中の運動・声出しが響くケースあり。子育て世帯には許容範囲でも、夜勤・在宅勤務者には負担。
- 飲食店・カラオケ・パチンコ店の上下階:低周波音と深夜営業音が侵入しやすい。
- 救急病院・消防署近く:サイレン音が深夜・早朝に響く。
Q&A
Q. 内見時に「上の階の足音は気になりますか?」と聞いていいですか?
仲介担当者には率直に聞いて構いません。仙台の優良物件であれば、騒音クレームの履歴も把握しているケースが多いので、過去のトラブル有無まで確認できると安心です。当社では管理物件の場合、過去のクレーム履歴の概要までお伝えしています。
Q. 防音性能の高い物件は家賃も高いですか?
仙台市内で[重量鉄骨造](/column/j-ry-tekkotsu-miyatsuko-keiry-tekkotsu-miyatsuko-mokuz-no-chigai-sendai-no-chint)(シャーメゾンなど)の防音性能の高い物件は、軽量鉄骨や木造より家賃が5〜15%高い傾向があります。ただし「子育てで足音を気にせず生活できる」「在宅勤務でWeb会議が問題なくできる」という生活の質を考えると、十分元が取れるケースが多い。青葉区上杉・錦町[エリア](/column/2026-02-22-sendai-de-tenanto-kaigy-o-seik-sa-seru-nishiki-machi-eria-no-tempo-bukken-erabi)など重量鉄骨造の物件が集まるエリアは青葉区上杉エリアの物件や青葉区錦町エリアの物件からも確認できます。
Q. 入居後に騒音問題が発生した場合、どこに相談すればいいですか?
まずは管理会社に相談するのが正しいルート。管理会社が当事者間の調整に入ります。深刻な場合は警察の生活安全相談、最終的には弁護士相談・賃貸借契約解約という流れです。当社管理物件の場合、騒音クレーム発生時は速やかに現地確認と当事者ヒアリングを行い、必要に応じて構造的な対策(防音マット支給・カーペット施工提案など)も含めて対応しています。
まとめ
賃貸物件の防音性は、構造(5項目)+床壁天井(6項目)+サッシ換気(4項目)の合計15項目を内見時に丁寧に確認すれば、住み始めてからの後悔をほぼ回避できます。特に重要なのは「夕方以降の時間帯に内見する」「壁・床を実際に叩く・歩く」「サッシのグレード表示を確認する」の3点。家賃の差以上に、防音性の高い物件は長期入居率と生活の質で確実に元が取れます。当社では仙台市内の重量鉄骨造シャーメゾンを中心に、防音性能の高い賃貸物件を多数所有・管理しています。所有物件一覧はこちらから空室状況をご確認いただけます。内見時の確認[ポイント](/column/2026-04-19-sendai-de-ch-ko-kodate-o-k-ny-suru-sai-no-h-muinsupekushon-katsuy-h)についてはお問い合わせはこちらより受け付けております。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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