仙台で賃貸物件を選ぶ際、ハウスメーカー系ブランドの代表格であるシャーメゾン(積水ハウス)とD-ROOM(大和ハウス)は必ず比較対象になります。どちらも「防音性能が高い」と謳われていますが、実際には躯体構造・床スラブ・界壁の仕様が根本的に異なるため、体感する遮音性能に明確な差が出ます。本記事では構造レベルの技術仕様から両ブランドの防音性能を詳細比較します。シャーメゾンの特徴を広く知りたい方はシャーメゾン特集もあわせてご覧ください。
躯体構造の違い|重量鉄骨と軽量鉄骨で遮音の土台が変わる
防音性能を語るうえで最も重要な前提が躯体構造の違いです。
シャーメゾンの躯体:
- 3〜4階建ては重量鉄骨造(β(ベータ)システム構法)が主流
- 柱は125mm角以上のH形鋼・角型鋼管、梁も250mm以上
- 床はコンクリート系の合成スラブ、厚さ150mm前後が標準
- RC造(鉄筋コンクリート造)グレードも一部で展開
D-ROOMの躯体:
- 2〜3階建ては軽量鉄骨造(xevoΣ・D-techなど)が主流
- 柱は90〜100mm角の軽量形鋼、梁も比較的細い
- 床は鉄骨梁に軽量気泡コンクリート(ALC)パネル+木質下地が一般的
- 4階建て以上は重量鉄骨グレードも存在
つまり、同じ「鉄骨造」と表記されていても、シャーメゾンの主力は重量鉄骨、D-ROOMの主力は軽量鉄骨です。重量鉄骨は部材の質量が大きく、音エネルギーを躯体自体が吸収しやすいという物理的アドバンテージがあります。一方、軽量鉄骨は振動が伝わりやすく、特に足音などの固体伝搬音で不利になりがちです。
床スラブの仕様比較|足音・物音が下階にどう伝わるか
集合住宅の騒音トラブルでもっとも多いのが上下階の音、すなわち床衝撃音です。
シャーメゾン重量鉄骨グレードの床構成:
- コンクリート系合成スラブ:厚さ150mm
- 床仕上げ側:乾式二重床+遮音マット+フローリング
- 床下空気層:配線配管用に30〜50mm確保
- 軽量床衝撃音遮断性能:LL-45相当(カタログ値)
- 重量床衝撃音遮断性能:LH-50相当
D-ROOM軽量鉄骨グレードの床構成:
- ALCパネル:厚さ100mm
- 上に遮音シート+木質合板+フローリング
- 床下空気層:30mm前後
- 軽量床衝撃音遮断性能:LL-50〜55程度(物件により差)
- 重量床衝撃音遮断性能:LH-55〜60程度
軽量床衝撃音(スプーンを落とした音など)は両者でそれほど差が出ませんが、重量床衝撃音(子どもが走る、大人が踏み下ろす足音)では明確に差が出ます。これはスラブの質量そのものが効くためで、150mmの合成スラブと100mmのALCでは単位面積あたりの重量が1.5倍以上違います。
界壁(隣戸間の壁)の比較|会話・テレビ音の遮断性
隣戸との間の壁、いわゆる界壁の仕様も大きな差が出るポイントです。
シャーメゾンの界壁(重量鉄骨グレード):
- 構成:石膏ボード(強化)2枚+グラスウール充填+石膏ボード2枚
- 総厚:200〜220mm
- 界壁内部にロックウール75mm以上を充填
- 遮音等級:D-50〜D-55(隣戸の大きな話し声がほぼ聞こえないレベル)
- 上位仕様搭載モデルではD-55〜D-60を実現するものもある
D-ROOMの界壁(軽量鉄骨グレード):
- 構成:石膏ボード+ロックウール+石膏ボード(標準)
- 総厚:150〜180mm
- 遮音等級:D-40〜D-50(カタログ値)
- 大和ハウス独自仕様「音rest」搭載物件はD-50以上
D値が5違うと体感音圧はおよそ半分近くまで下がると言われており、D-50とD-55の差は想像以上に大きいのが実際です。シャーメゾンの重量鉄骨+上位界壁仕様と、D-ROOM軽量鉄骨の標準仕様では、テレビ音や会話の聞こえ方が体感で明らかに違います。
開口部・サッシの遮音性能|外部騒音の入りやすさ
防音性能は躯体だけで決まるわけではなく、窓やドアなど開口部の性能も大きく影響します。
シャーメゾンの開口部仕様:
- アルミ樹脂複合サッシ+Low-E複層ガラスが標準
- 遮音等級:T-2相当(30dB遮音)
- 幹線道路沿い物件などではT-3(35dB遮音)仕様もオプション設定
- 玄関ドアは重量タイプで気密パッキン付き
D-ROOMの開口部仕様:
- アルミサッシ+複層ガラスが主流(樹脂複合は上位グレードのみ)
- 遮音等級:T-1〜T-2(25〜30dB遮音)
- 玄関ドアは標準的な集合住宅向けスチールドア
仙台市中心部の青葉区一番町・国分町周辺や、大通り沿いの物件では、このサッシの遮音性能差が夜間の静けさに直結します。特に幹線道路から50m以内の立地では、サッシがT-2かT-3かで睡眠の質が変わるほどです。
仙台の物件で実際に確認すべき5つのチェックポイント
技術仕様を理解したうえで、仙台の実物件で防音性能を確認する際のチェックポイントをまとめます。
1. 建築年月と構法世代の確認
シャーメゾンもD-ROOMも、2010年以降・2015年以降・2020年以降と構法がバージョンアップされています。同じブランドでも築年数で性能が違うため、竣工年と構法名(βシステム/xevoΣなど)を必ず確認しましょう。
2. 階数と住戸位置
最上階・角部屋は騒音リスクが物理的に少ない配置です。特に1階住戸は上階からの重量床衝撃音が最も響くため、家族構成の上階入居者も確認しましょう。
3. 内見時の足音テスト
スリッパなしで部屋の中を歩き、隣室・上下階に音がどう伝わるか試すのが最も確実です。[不動産会社](/column/sendai-fudosan-gaisha-sentaku-guide)経由で複数人内見を依頼し、同時に音を出す検証も有効です。
4. 界壁をノックしてみる
壁を軽くノックし、反響音を聞きます。詰まった低い音が返ってくる壁は質量があり、高く乾いた音が返ってくる壁は中空で質量不足の可能性があります。
5. サッシのメーカーとガラス仕様
窓のサッシ枠にはメーカー名とモデル番号が刻印されています。LIXIL・YKK APのサーモス/エピソードシリーズや、Low-E複層ガラスの表記があれば遮音性能は安定しています。
シャーメゾンとD-ROOMはどちらも一般的な木造・軽量鉄骨アパートより優れた遮音性能を持ちますが、シャーメゾンの重量鉄骨グレードが技術仕様上は最上位です。一方でD-ROOMにもRC造グレードや音rest仕様の高性能モデルがあり、単純に「シャーメゾンが常に上」とは言い切れません。仙台で物件を選ぶ際は、ブランド名だけでなく構法世代・界壁仕様・床スラブ厚・サッシ等級の4点を必ず確認することをお勧めします。
エムアセッツでは、青葉区上杉エリアや青葉区錦町エリア、宮城野区エリアにシャーメゾン仕様の重量鉄骨物件を、若林区荒井エリアにD-ROOM仕様の物件を所有・運営しています。両ブランドの構造仕様を実際の部屋で確認したい方は所有物件一覧はこちらからご覧いただけます。転勤等で仙台への引っ越しを控えている方は仙台転勤ガイドも参考にしてください。物件に関するご不明点はお問い合わせはこちらからご確認いただけるほか、よくある質問もあわせてご覧ください。他の防音・構造関連の記事は不動産コラム一覧からどうぞ。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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