定期借家契約と普通借家契約とは
賃貸物件を借りる際には、必ず「賃貸借契約」を締結します。日本の賃貸市場で使われている契約形態は主に2種類——普通借家契約と定期借家契約です。どちらを選ぶかによって、契約期間・更新・中途解約のルールが大きく異なります。
仙台市内の賃貸物件でも、シャーメゾン特集で紹介しているような管理物件の一部で定期借家契約が採用されており、入居検討時に「定期借家ってなに?」と戸惑う方も少なくありません。本記事では、両者の違いと選び方を専門家視点でわかりやすく解説します。
普通借家契約の基本
普通借家契約は、日本の賃貸市場でもっとも一般的な契約形態です。
主な特徴
- 契約期間: 1年以上(2年契約が多い)
- 更新: 契約期間満了後に原則として更新可能
- 貸主からの解約: 「正当事由」がなければオーナーから一方的に解約できない
- 借主からの解約: 通常1〜2ヶ月前の予告で解約可能
借主にとってのメリット
最大のメリットは「居住の安定性」です。貸主側が正当事由(自己使用・老朽化など)を示せない限り、借主は住み続けることができます。転勤などで引っ越しを余儀なくされない限り、気に入った物件に長期滞在しやすい契約です。
借主にとってのデメリット
更新料が発生する物件が多い点は注意が必要です。仙台市内では更新料として家賃1〜2ヶ月分を請求する物件もあります。また、家賃改定の交渉が発生することもあります。
定期借家契約の基本
定期借家契約は2000年(平成12年)の「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」により導入された契約形態です。
主な特徴
- 契約期間: 自由(1年未満も可能)
- 更新なし: 期間満了で契約は終了(再契約は別途締結)
- 貸主からの解約: 期間中は正当事由不要で終了できる
- 借主からの解約: 床面積200㎡未満の居住用物件では、やむを得ない事情(転勤・療養など)がある場合に中途解約可能
定期借家が使われる代表的なシーン
- 転勤・単身赴任者向け物件: オーナーが将来自己使用を予定している場合。仙台転勤ガイドでは転勤者向けの物件選びのポイントもまとめています
- 建替え予定地の暫定活用: 再開発前の物件を短期間貸し出す場合
- リゾート・別荘活用: 特定シーズンのみ貸し出す場合
- 高品質賃貸の家賃設定: 定期借家により市場価格より低め設定し回転率を管理
普通借家 vs 定期借家:5つの比較ポイント
① 契約更新の有無
| 項目 | 普通借家 | 定期借家 |
|---|---|---|
| 更新 | 原則あり(自動更新・合意更新) | なし(期間満了で終了) |
| 更新料 | 発生することが多い | 不要(再契約料が発生する場合あり) |
② 中途解約
普通借家では、借主からの中途解約は1〜2ヶ月前の予告で可能なケースが多いです。定期借家では、居住用200㎡未満の物件であれば、転勤・療養・親族の介護などやむを得ない事情がある場合に中途解約が認められます。ただし、解約の申入れから1ヶ月後に契約が終了するのが原則です。
③ 貸主からの終了
普通借家では、貸主が契約を終了させるには「正当事由」の立証が必要です。「自分で使いたい」という理由だけでは不十分で、立退料の支払いが現実的な手段となります。
定期借家では、契約期間満了をもって契約が終了するため、正当事由は不要です。ただし、期間満了の1年前〜6ヶ月前に「終了通知」を借主に送付することが義務付けられています。
④ 家賃水準
定期借家は市場相場より5〜15%程度低い家賃設定の物件も見られます。契約終了の不確実性を家賃で補うオーナー側の配慮です。一方で、高品質物件では「更新料なし・再契約で家賃改定あり」という形で普通借家と同等以上の設定となる場合もあります。
⑤ 書面・説明義務
定期借家契約には、普通借家契約にはない「あらかじめ書面を交付しての説明義務」があります。この手続きが抜けていると、定期借家としての効力が失われ、普通借家として扱われる可能性があります。
仙台市内での実態
仙台市内では、大多数の賃貸物件が普通借家契約です。定期借家契約が多く見られるのは以下のケースです。
- 積水ハウスシャーメゾン等の管理物件の一部で、オーナーの建替え計画や資産管理目的で採用
- 仙台駅周辺や再開発エリアでの暫定活用物件
- 法人社宅向けの短期利用物件
エムアセッツが所有する物件についても、契約形態は物件ごとに異なります。内見や契約前の重要事項説明の段階で必ず確認しましょう。青葉区上杉エリアの物件、青葉区錦町エリアの物件、宮城野区エリアの物件など、エリアごとに詳細をご覧いただけます。
どちらを選ぶべきか
借主(入居者)の場合
長期居住を希望するなら普通借家が安心です。ただし、家賃が安い定期借家物件を短期目的(2〜3年程度)で利用するのも合理的な選択肢です。
転勤族や単身赴任者で在籍期間が明確な場合は、定期借家で期間を合わせる方がトラブルが少ない場合もあります。
オーナー(貸主)の場合
将来の自己使用・建替えを予定している物件には定期借家が有効です。一方、安定した収益を長期で確保したい物件では普通借家が向いています。普通借家でも「正当事由」と「立退料」の概念を理解しておくことが[リスク管理](/column/sendai-chintai-owner-risk-kanri-hoken-guide)の観点から重要です。
まとめ
定期借家契約と普通借家契約は、「更新の有無」「解約ルール」「貸主からの終了可否」の3点で本質的に異なります。どちらが優れているかではなく、物件の利用目的・期間・将来計画に合った契約形態を選ぶことが重要です。
契約形態に関する疑問はよくある質問でも解説しています。仙台で賃貸物件をお探しの方、またはオーナーとして賃貸経営をご検討の方は、お問い合わせはこちらからご連絡ください。物件ごとの契約形態についても丁寧にご説明しております。所有物件一覧はこちらからご確認いただけます。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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