子どもや孫がマイホームを購入する際に、親や祖父母が資金援助をする「住宅資金の援助」は多くの家庭で行われています。しかし、贈与を受けた金額が一定額を超えると贈与税がかかります。これを抑えるために活用できるのが住宅取得等資金の贈与税非課税特例です。
仙台市内でマイホームを購入する際にも、親や祖父母から資金援助を受けるケースは珍しくありません。この特例を正しく活用することで、贈与税の負担を大きく軽減できる可能性があります。制度の概要と要件を整理しておきましょう。
制度の概要
この特例は、父母や祖父母など直系尊属から住宅取得のための資金(土地・建物の購入資金または増改築資金)の贈与を受けた場合に、一定金額まで贈与税を非課税とするものです。
贈与税には毎年110万円の基礎控除がありますが、住宅取得等資金の非課税特例はそれとは別枠で適用できます。たとえば500万円の援助を受けた場合、基礎控除110万円と非課税枠を合算すると、贈与税ゼロで受け取れる金額の幅が大きくなります。
非課税限度額
非課税限度額は住宅の種類によって異なります。2026年時点では、省エネ等住宅(断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上などの基準を満たす住宅)の場合に最大1,000万円まで非課税となります。一般住宅(省エネ等住宅以外)については非課税限度額が設けられているケースもありますが、制度の適用期間・限度額は毎年度の税制改正で変更される場合があります。最新の非課税限度額は国税庁のウェブサイトや税理士に確認することをおすすめします。
仙台市内で購入する新築マンションや戸建てで省エネ住宅の基準を満たすものは多く、この特例の活用対象になるケースが増えています。
主な適用要件
受贈者(贈与を受ける側)の要件
- 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上であること
- 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること(床面積40㎡以上50㎡未満の住宅の場合は1,000万円以下)
- 贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅を取得し、居住しているか居住することが確実であること
- 配偶者や親族などから住宅を取得していないこと
住宅の要件
- 床面積(登記簿上)が40㎡以上240㎡以下であること(マンションは専有部分の床面積)
- 床面積の2分の1以上が受贈者の居住用であること
- 新築住宅または取得した中古住宅について、省エネ等住宅の場合は一定の基準を満たすこと
- 中古住宅の場合は、建築後20年以内(耐火・準耐火建築物は25年以内)または耐震基準適合証明書等の取得が必要
申告手続き
この特例を受けるためには贈与税の確定申告が必須です。贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日までに、受贈者が居住地の税務署へ申告書を提出します。申告書には以下の書類を添付するのが一般的です。
- 戸籍謄本(贈与者との続柄を証明するため)
- 登記事項証明書(不動産登記の内容確認)
- 売買契約書または建築工事請負契約書のコピー
- 省エネ等住宅の場合は住宅性能証明書等の証明書類
非課税の申告を忘れた場合、贈与税が通常どおり課税されますので注意が必要です。また、贈与を受けた年の翌年3月15日までに住宅に居住できない事情がある場合は、特例の適用要件を満たさなくなる可能性があります。
相続時精算課税制度との組み合わせ
住宅取得等資金の贈与税非課税特例は、相続時精算課税制度と組み合わせて使うことができます。相続時精算課税制度は60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、累積2,500万円まで贈与税が非課税となる制度です(2024年以降、年110万円の控除も追加)。
この2つの制度を組み合わせることで、より大きな金額を贈与税なしで受け取れる場合があります。ただし相続時精算課税制度を選択すると、その後の暦年贈与に戻れないなど一定の制約があるため、長期的な相続対策と合わせて専門家に相談することが重要です。
注意点と仙台での活用
仙台市内での住宅購入において、親から頭金の援助を受ける場合にこの特例が活用されることがあります。特例の非課税限度額の範囲内であれば贈与税がかかりません。ただし、次の点には注意が必要です。
- 援助された資金が住宅取得目的でなく消費に使われた場合は特例が使えない
- 贈与を受けた翌年3月15日より前に住宅取得・居住開始できるスケジュールを確認する
- 名義(誰が住宅の所有権を持つか)と贈与を受けた人が一致している必要がある
特例の要件や限度額は税制改正で変わることがあるため、購入のタイミングで最新情報を税理士や税務署に確認することをおすすめします。
まとめ
住宅取得等資金の贈与税非課税特例は、親・祖父母からの資金援助を活用してマイホームを購入する際に大きな節税効果をもたらす制度です。仙台でマイホームの購入を計画している方は、援助を受ける前に要件を確認し、適切に申告手続きを行うことが重要です。資金計画の段階からこの特例を活用できるかどうか検討しておきましょう。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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