媒介契約の途中解除は可能か
「売却を依頼した不動産会社の動きが遅い」「連絡が来ない」「他の会社に変えたい」――仙台市内でも、不動産売却中にこうした不満を抱くオーナー・売主は少なくありません。
結論からいうと、媒介契約は原則としていつでも解除できます。しかし、契約の種類(専任媒介・専属専任媒介・一般媒介)によって手続きや注意点が異なります。また、解除のタイミングや状況によっては違約金が発生するケースもあります。
本記事では、仙台市内で不動産の売却媒介契約を解除し、別の不動産会社に切り替える際の手順と注意点を解説します。
媒介契約の種類と解除の難易度
一般媒介契約
複数の不動産会社に同時に依頼できる契約形態です。解除の自由度が最も高く、特に契約期間の定めがない場合は随時解除が可能です。ただし書面で契約期間を定めている場合は、期間内解除に合意が必要なこともあります。
専任媒介契約
1社のみに依頼する契約で、契約期間は最長3か月(自動更新不可)。専任媒介では不動産会社が積極的に売却活動を行う義務があり、2週間に1回以上の活動状況報告が義務付けられています。
契約期間内の中途解除は可能ですが、解除により不動産会社に損害が生じた場合は実費相当の費用を請求される場合があります(広告費・調査費等)。
専属専任媒介契約
専任媒介よりさらに拘束力が高く、売主自身が買主を見つけた場合でも仲介手数料が発生します。1週間に1回以上の報告義務があります。解除は可能ですが、専任媒介と同様に損害費用の請求リスクがあります。
解除の手順
ステップ1:現在の媒介契約書を確認する
まず手元にある媒介契約書(重要事項説明書や媒介契約の書面)を確認します。確認すべき内容は以下の通りです。
- 契約の種類(一般・専任・専属専任)
- 契約期間(開始日・満了日)
- 解除・解約に関する特約条項
- 違約金・損害賠償に関する条項
不動産会社から受け取った書面が見当たらない場合は、担当者に再交付を依頼できます(宅建業法上の義務書面のため発行を断れない)。
ステップ2:解除の意思を不動産会社に伝える
電話ではなく、書面(内容証明郵便または電子メール)で解除の意思を明確に伝えることを推奨します。口頭のみでは「言った・言わない」のトラブルになりかねません。
書面には以下を記載します。
- 解除を申し入れる媒介契約の内容(物件住所・契約日・種類)
- 解除を希望する日付
- 解除の理由(任意ですが、トラブル回避のために記載推奨)
ステップ3:精算と返却物の確認
媒介契約を解除した場合、以下の清算が必要なことがあります。
不動産会社に支払う費用(発生する場合):
- 測量費・調査費などの実費(会社側から領収書を要求)
- 広告費(新聞折込・チラシ・ポータルサイト掲載費など、実費のみ)
売主が返却すべき物:
- 物件の鍵(コピーを不動産会社に渡していた場合)
- 物件内に掲出していた「売り出し中」などの看板
なお、仲介手数料は売買が成立した場合に初めて発生するものです。媒介期間中に売買が成立していなければ、仲介手数料を支払う義務はありません。
ステップ4:レインズへの削除確認
専任媒介・専属専任媒介の場合、不動産会社は物件情報を「指定流通機構(レインズ)」に登録する義務があります。媒介契約解除後は速やかにレインズから情報を削除するよう依頼し、削除完了の確認を取りましょう。
削除を怠ると、旧業者の物件として残留し、新しい業者との取引に支障が出る場合があります。
解除後、新しい不動産会社を選ぶポイント
仙台市内の不動産会社を選ぶ基準
- 地元密着型か確認する:仙台市内・特に売却物件のエリアに精通した業者を選ぶ。エリアの成約事例を多く持つ会社が有利
- 査定額の根拠を確認する:高すぎる査定額で囲い込みをする業者は避ける。根拠となる比較物件を提示してもらう
- 営業担当者の対応を評価する:初回相談時の連絡速度・説明の丁寧さを確認
- 複数社に相談する:最低2〜3社に相談し比較検討する
一般媒介への切り替えも選択肢
前の会社で専任媒介を締結していた場合、次の会社では一般媒介に切り替えて複数社に並行依頼するという選択肢もあります。競争原理が働き、各社の営業意欲が高まる効果が期待できます。ただし、複数社と並行する管理の手間は増えます。
解除前に確認すべきリスクと注意点
違約金の発生リスク
専任媒介・専属専任媒介の場合、契約期間内に理由なく解除した場合、不動産会社が実際に支出した広告費・調査費などの実費を請求してくる可能性があります。ただし、不動産会社側に義務違反(報告義務の不履行など)がある場合は、違約金の支払いを拒否できる根拠になります。
業者側の「囲い込み」問題
仙台市内でも、専任媒介を取得した不動産会社が他社からの購入申込みを意図的にブロックする「囲い込み」問題が問題視されています。成約が進まない理由が囲い込みによるものと疑われる場合は、宅建業法上の問題として宮城県宅建業担当窓口(宮城県土木部建築宅地課)に相談することができます。
契約更新を拒否する方法
専任媒介・専属専任媒介の契約期間満了後に更新しない場合は、期間満了前に「更新しない」旨を書面で通知するだけで足ります。自動更新の特約がある場合でも、宅建業法上の規制(最長3か月)を超える自動更新は無効です。
まとめ
仙台市内の不動産売却において、媒介契約の解除は手順を踏めば比較的スムーズに実施できます。大切なのは以下の点です。
- 解除の意思は書面で明確に伝える
- 違約金の有無を契約書で事前確認する
- レインズからの削除を忘れずに確認する
- 次の会社は複数比較して選ぶ
エムアセッツでは、仙台市内の不動産売却に関するご相談を承っています。現在の媒介契約の内容確認から、切り替えのタイミングの判断まで、経験豊富なスタッフが丁寧にサポートします。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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