無断転貸とは何か
無断転貸(又貸し)とは、賃借人が賃貸人(オーナー)の承諾なしに、第三者に賃貸物件を使用させる行為のことです。民法第612条では、賃借人が賃貸人の承諾を得ずに第三者に賃借物を転貸することを禁じており、これに違反した場合、賃貸人は契約を解除できると定めています。
仙台の賃貸市場でも近年、シェアリングエコノミーの普及やSNS経由の部屋貸し、留学中の知人への一時貸し、民泊目的の又貸しなど、さまざまな形での無断転貸が確認されています。
無断転貸が疑われるサインと発覚の経緯
日常管理で気づくケース
- 契約者とは別の人物が頻繁に出入りしている
- ポストに複数の宛名が存在する
- 管理会社や隣人から「見知らぬ人が常駐している」と報告を受けた
- 短期貸し出しサイト(AirBnbなど)に自分の物件が掲載されている
隣人・管理会社経由で発覚するケース
多くの場合、隣人からの通報や管理会社の巡回点検、設備トラブルの際の立ち入りによって発覚します。
発覚後のオーナーが取るべき手順
Step 1: 証拠の収集と事実確認
まず感情的に動くのではなく、事実関係を慎重に確認することが重要です。思い込みや誤解によるトラブルを防ぐため、以下の証拠を収集してください。
- 不審な出入りの日時・頻度の記録
- 登録済みの入居者と実際の居住者の違いを示す資料
- 民泊サイトへの掲載スクリーンショット(URLや日付付き)
Step 2: 賃借人に対して書面で確認
口頭ではなく、内容証明郵便または書面で現在の居住状況について問い合わせます。この段階で「第三者が居住しているか」「短期貸し出しをしているか」を直接確認します。
Step 3: 賃借人から事情を聴取
賃借人が認める場合は、次の選択肢を検討します。
- 承諾して転貸を認める(転借人の審査・保証を新たに取得する)
- 転貸の即時停止と是正を求める(期限付き勧告)
- 契約解除を通知する(是正がない場合)
承諾せずに転貸を続けている場合は契約解除の正当事由となりますが、解除の前に是正を求める通知を行うことが手続き上重要です。
Step 4: 是正期限を設けた通知
是正を求める場合は、合理的な期限(通常2週間〜1か月程度)を設け、その間に転貸先の退去・転貸停止を求めます。この過程を書面で残しておくことが、その後の法的手続きで重要になります。
無断転貸を理由とした契約解除の注意点
民法第612条は無断転貸を解除理由として認めていますが、判例上、「背信行為」にあたるかどうかが重要な判断基準となっています。
家族や知人を一時的に泊めた程度では「背信行為」とは認められないケースがほとんどです。一方、民泊として継続的に第三者に有償で貸し出している場合や、転借人が長期居住している場合は、背信行為として契約解除が認められやすくなります。
解除通知を送る際は、法的根拠(民法第612条第2項)を明示し、行政書士・司法書士・弁護士に相談の上で進めることをお勧めします。
転借人への対応と明渡し
契約が解除された場合、賃借人だけでなく転借人にも退去を求める必要があります。転借人には独立した権利がないため、賃借人への解除通知をもって転借人も退去義務が生じます(民法第613条3項)。
ただし、転借人が退去に応じない場合は明渡し訴訟が必要になることもあります。仙台地方裁判所や簡易裁判所での手続きとなりますが、事前の証拠収集が勝訴の鍵となります。
損害賠償請求について
無断転貸によって発生した損害(原状回復費用の超過分、民泊による設備劣化、隣人へのトラブル対応費など)については、賃借人に対して損害賠償請求を行うことができます。
この際も、損害の因果関係を立証するために写真・見積書・修繕費用の領収書などの証拠を保管しておくことが重要です。
仙台の賃貸オーナーへのアドバイス
無断転貸トラブルを予防するためには、以下の取り組みが有効です。
- 契約書に明確な禁止条項を設ける:民泊・転貸・同居者の追加を禁止し、違反時の解除条件を明記
- 定期的な居住状況の確認:管理会社の巡回点検を定期化し、異変を早期発見
- 入居後のコミュニケーション維持:緊急連絡先の確認や更新時の面談で関係性を保つ
エムアセッツでは、賃貸物件の管理相談・契約書の見直しについてご対応しています。無断転貸や入居者トラブルでお困りの仙台のオーナー様はお気軽にご相談ください。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
仙台の賃貸物件をお探しですか?
エムアセッツでは仙台市内に全棟ペット可・シャーメゾンの高品質賃貸物件を所有・運営しています。
