不動産収入と経費の基本的な考え方
賃貸物件を所有して家賃収入を得ている場合、その収入は税法上「不動産所得」として扱われます。不動産所得 = 収入金額 − 必要経費 − 青色申告特別控除(青色申告の場合)という計算式になり、必要経費を正確に計上することが節税の第一歩です。
仙台で賃貸物件を所有しているオーナーの中には「どこまで経費にできるのかわからない」「修繕費はすべて経費になる?」と疑問を持つ方が多いです。この記事では、計上できる経費の項目と注意点を整理します。
計上できる主な必要経費
1. 固定資産税・都市計画税
賃貸物件にかかる固定資産税および都市計画税は、全額必要経費として計上できます。仙台市では毎年4〜5月に納税通知書が届きます。複数の物件を所有している場合は各物件の税額を分けて記録しましょう。
2. 火災保険料・地震保険料
賃貸物件に関する火災保険料・地震保険料は必要経費です。ただし、保険料を一括払いしている場合は期間按分が必要で、当年に対応する金額のみ経費計上します(前払費用として翌年以降に繰り延べ)。
3. 管理委託費
不動産管理会社に支払う管理委託費(家賃収入の5〜10%が一般的)は全額経費になります。管理会社との委託契約書と領収書・請求書を保管してください。
4. 修繕費
賃貸物件の修繕費は経費計上できますが、「修繕費」か「資本的支出」かの区分が重要です。
- 修繕費(即時経費化):原状回復・機能維持を目的とした工事(壁の補修、設備の修理、外壁塗装の塗り直しなど)
- 資本的支出(減価償却が必要):物件の価値を高める・耐用年数を延ばす工事(部屋の増築、設備グレードアップ、エレベーター新設など)
目安として、1か所あたり20万円未満の修繕費は即時経費計上できる場合が多いですが、金額が大きい場合は税理士に確認することをお勧めします。
5. 減価償却費
建物(土地は除く)は取得価格を耐用年数に応じて毎年費用化します。木造アパートの法定耐用年数は22年、重量鉄骨造は34年、RC造は47年です。
減価償却費は実際のお金の支出がなくても経費計上できるため、節税効果の大きい項目の一つです。建物取得価格・築年数・構造を把握して正確に計算することが重要です。
6. ローン利息(金利部分)
賃貸物件取得のために借り入れたローンの利息部分は経費計上できます。元金返済部分は経費になりません。銀行から送られてくる「返済予定表」で利息と元金を分けて確認してください。
7. 広告費・募集費
入居者募集のために不動産仲介会社に支払うAD(広告費)、インターネット掲載費なども経費です。
8. 税理士・司法書士費用
確定申告を税理士に依頼した費用、不動産に関する司法書士費用は経費計上できます。
9. 交通費・通信費・事務用品費
物件の管理・巡回のために使った交通費(電車・バス・ガソリン代)、管理に関するスマートフォン利用料の一部、事務用品費も、賃貸業務に関連する部分については経費計上できます。自家用車を兼用している場合は賃貸業務に使用した割合で按分します。
計上できないもの・注意が必要なもの
土地の取得費
土地は減価しないため、減価償却の対象外です。建物と土地をまとめて取得した場合は、契約書や固定資産税評価額等から建物と土地の割合を分けて計算します。
生活費との混在
自宅兼事務所として使っている場合や、個人の車を兼用している場合は、業務使用割合を合理的な根拠で按分することが必要です。根拠なく全額計上すると、税務調査で否認されるリスクがあります。
元金返済部分
繰り返しになりますが、ローンの元金返済は経費になりません。
青色申告との組み合わせで節税を最大化
確定申告は白色申告より青色申告を選択することで節税効果が大きくなります。
- 青色申告特別控除:最大65万円の所得控除(e-Tax申告・電子帳簿保存が条件)
- 損失の繰越:不動産所得が赤字の場合、翌年以降3年間繰り越して他の所得から控除可能
- 専従者給与の経費算入:配偶者や家族が賃貸業務を手伝っている場合、適正な給与を経費計上できる
青色申告の申請には、毎年3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります(新規取得物件は事業開始から2か月以内)。
仙台市の賃貸オーナーが注意すべき点
仙台市では仙台市税事務所(仙台市固定資産税課)が固定資産税の課税を行っており、評価額は3年ごとに見直されます。評価替え後に固定資産税が増加することがあるため、変化を定期的に確認してください。
また、東日本大震災後に仙台市内で受けた修繕・改修に関しては、既に時効が経過しているものがほとんどですが、過去の大規模修繕が適切に帳簿に記録されているか確認することも重要です。
まとめ
不動産収入の必要経費を正しく計上することは、合法的な節税の基本です。経費の見落としや誤分類は税負担の増加につながる一方、根拠のない過大計上は税務調査のリスクを高めます。
特に修繕費と資本的支出の区分、減価償却の計算、自宅兼用部分の按分などは専門的な判断が必要なケースが多いため、地元の税理士や不動産専門家と連携することをお勧めします。
エムアセッツでは、仙台の賃貸経営に関する税務・確定申告の事前相談や、信頼できる税理士のご紹介も行っています。経費の計上でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
著者
森 信幸
代表取締役 / エムアセッツ株式会社
宅地建物取引士(宮城県 第018212号)
仙台市青葉区を拠点に、シャーメゾンを中心とした高品質賃貸物件を所有・運営。全棟ペット可の方針で、入居者とペットが快適に暮らせる住環境づくりに取り組んでいます。
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